銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件

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  • サイズ B6判/ページ数 133p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010072
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

身長が毎日少しずつ縮んでいる!? 自分の心臓が爆弾になった!? 母親が97人に分裂!? 夫が雪だるまに変身!? 銀行強盗のせいで起こったさまざまな事件を描く傑作寓話小説。

内容説明

ある日、カナダの銀行に紫色の帽子をかぶった強盗がやってきた。彼はその場にいた十三人から“もっとも思い入れのあるもの”を奪い、去り際にこんな台詞を残した。「私は、あなたがたの魂の五十一%を手に、ここを立ち去ってゆきます。そのせいであなたがたの人生には、一風おかしな、不可思議なできごとが起こることになるでしょう。ですがなにより重要なのは―その五十一%をご自身で回復させねばならぬということ。さもなければあなたがたは、命を落とすことにおなりだ」その言葉どおり、被害者たちに奇妙なことが起こりはじめる。身長が日に日に縮んでしまったり、心臓が爆弾になってしまったり。母親が九十八人に分裂した男性もいれば、夫が雪だるまに変身した女性も…。いったい、なにがどうなっているのか?

著者等紹介

カウフマン,アンドリュー[カウフマン,アンドリュー] [Kaufman,Andrew]
カナダ出身の作家、脚本家、ラジオ・プロデューサー。ノヴェラ(中編作品)All My Friends Are Superheroes(2003)で作家デビュー。現在はトロントに住む

田内志文[タウチシモン]
翻訳者、物書き。イースト・アングリア大学院にて文芸翻訳を学ぶ。英国のビリヤード競技、スヌーカーの選手としても活動しており、2006年チーム世界選手権、2007年アジア選手権日本代表。その後引退したが、2013年全日本選手権にて復帰し、ベスト16入りを果たした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

152
うーん、まあまあ。タイトルがインパクト抜群な分、内容にも期待してしまったが、良くも悪くも想像の範囲を脱しない不思議なファンタジー作品。銀行強盗が乗り込んできた現場に居合わせた人々が、銀行強盗に最も思い入れのあるものを取られてしまい、それから不思議な出来事に見舞われていく。銀行強盗の正体とか、結局それぞれの出来事の意味とかはわからないけれど、不条理さのなかで、いい感じのハッピーエンドに終わったのは良かったかな。2019/12/30

藤月はな(灯れ松明の火)

85
もう、今年のタイトル大賞はこれしかないと思った作品。読友さんの感想がきっかけで予約して待って読んでみたらお洒落な影絵付きのブラックで心温まる寓話とも言える作品だった。紫の羽をつけた銀行強盗に自分にとって大事な物を奪われた人々に起こるのは自分に彫った刺青の獅子に追掛けられたり、母が小さく、分裂したり、夫が雪だるまと化していたり、自分が飴細工になっていたりとかなり、シュールで暗喩的な状況。しかもその状況に対しての各々の対処法が、グロテスクなのにカフカをユーモアにしたような不条理感のあるものなのが、たまらない。2013/11/06

のっち♬

67
「私はあなた方の魂の51%を手に、ここを立ち去って行きます。その51%をご自身で回復させねばならぬ」銀行強盗に『もっとも思い入れのあるもの』を奪われた人々に起こる奇妙な出来事の数々。日毎に身長が縮む主人公の妻を中心に、心臓が爆弾に変わった人、刺青のライオンに襲われる人と、非現実的な世界が平易かつ端的な文章で描かれる。展開が早く挿入されるエピソードはどれも短いが、著者の仕掛けた不思議な比喩表現に思いを馳せさせる。魂を「常に回復させ続けなければいけない」必要性を示唆するライトな一冊。影絵的なイラストもマッチ。2018/11/19

seri

65
すごい面白い。たまたま居合わせた銀行で、お金などには見向きもしない強盗に、魂の五十一パーセントを奪われた人々のその後の悲喜こもごも。物凄くシュールな世界なのに、実生活においての核心をつく言葉が多くて、考え抜かれた仕掛けが深みを生んでいる。「魂は常に回復させ続けなくてはいけないもの」「妻への愛は、子どもへのそれと比べ努力を要し得るものはないこと」何故縮むのか、何故雪だるまなのか、何故キャンディなのか、何故歴史なのか。答えは一つではなく。こんな強盗にあったら魂の回復が自分は出来るだろうかと、ふと考えてしまう。2016/03/24

帽子を編みます

63
残念、私には面白みがわからなかった。ぴんとくるものがなかったです。息子は無条件に愛すべき存在、夫は努力して愛すべき存在。でも、息子と夫では愛情の種類が違うので比較されるのは困ります。あなたのお母さんへの愛情と、妻である私への愛情、どちらが大切なの?と問い詰めても答えられないでしょう。とにかく、私はかまってちゃんは大嫌い、自分でやる、やって欲しいことは伝える、やって欲しくないことも伝える、これで大抵のことはうまくいっているように思います。この本を読むと自分の状況を考え始めるのは、まんまと乗せられてますか?2021/05/28

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