内容説明
一九二九年、ツェッペリン飛行船とともに日本にもたらされた新型カメラは、この地にいかに生き、今日まで何を写してきたか。「家一軒と同価」といわれながらも熱狂せずにはいられなかった写真家、マスコミ、メーカーそして大衆の戦後史を一青年の青春を通して描き、機械と人間のひとつの関係を描いた野心作。
目次
序 ライカと味噌汁
東京都文京区音羽町五丁目二番地―最初にライカが見た極東・東京の風景
ライカが見た東京―七つの風景
「帰還したライカDIII」を撮影した新潮社の雨の午後に
ライカ以前の出会い
一九七一年、東京のスカイラインと渋谷の穴、五島プラネタリウム、大ライカM5の風景
彼らは如何にあったか?日本のライカ写真家たち
人骨を食らう チベットに憧れる東京のライカ
ライカで東京の闇は駆逐されたか?ヘクトール73ミリとノクチルックス50ミリ
ライカを肩に階段を上ったイエナ書店には洋書の良い香りがした
ライカのカタログに夢を見ていた
古い「アサヒカメラ」の合本をめぐって
ライカで写らないはずのモノが写る
家族を写すためのカメラ、ライカ
使いもしない旅の友 トランキライザーとしての沈胴ライカ
前・ライカ社社長ハンス=ペーター・コーンさんと歩いた東京新橋、銀座のライカ散歩
『南方録』に学ぶライカの侘び寂びな交換レンズ遊び
著者等紹介
田中長徳[タナカチョウトク]
写真家。1947年、東京生まれ。日本大学写真学科卒。日本デザインセンターを経て1973年からフリー。日本写真家協会会員
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