イタリア・ルネサンスの巨匠たち 〈１９〉 シニョレッリ アントーニオ・パオルッチ

パオルッチ，アントーニオ【著】〈Ｐａｏｌｕｃｃｉ，Ａｎｔｏｎｉｏ〉/芳野 明【訳】

東京書籍（1995/11発売）

• サイズ A4判／ページ数 78p／高さ 28cm
• 商品コード 9784487763696
• NDC分類 702.37
• Cコード C0371

出版社内容情報

人類史上もっとも豊かな時代，ルネサンス期を築いた芸術家たちの生涯と全作品。初めて日本に紹介される作品図版も多数収録。新進の研究家による，新しい美術シリーズ。

目次

初期の作品
芸術家としての成熟
モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院の連作画
オリヴィエートのサン・ブリツィオ礼拝堂
晩年の衰退
主要文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヴェネツィア]

シニョレッリはフランチェスカの弟子として、その影響下にあったように語られることが多い。しかし、例えばシニョレッリ初期の代表作である「受胎告知」を比べてみると、素人目にはむしろ大いに違っているようにしか見えない。画面中央の左側に大天使ガブリエル、右側に聖処女マリアは当然の配置だが、フランチェスカの低く屈んだガブリエルに対してシニョレッリのそれは対等な高さを主張しているし、それぞれのポーズも決定的に違っている。つまり、この時期、既にシニョレッリはフランチェスカから羽搏いて独自の画境に達していたのではないか。

2015/06/16