内容説明
一千年余に及ぶビザンツ帝国の政治制度はいくたびか変化した。その変化の実態を探求することによって、ビザンツ帝国がもっていた活力とその衰退を明らかにする。
目次
第1章 ビザンツ人にとっての帝国
第2章 皇帝
第3章 元老院と枢密院
第4章 初期ビザンツの政治制度
第5章 中期ビザンツの政治制度
第6章 後期ビザンツの政治制度
著者等紹介
尚樹啓太郎[ショウジュケイタロウ]
1927年生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業、現在東海大学名誉教授
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感想・レビュー
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磁石
10
約千年以上もの、人類史上稀な超長寿を誇ったビザンツ帝国。その寿命と健康を保ったのは一体何だったのか知りたかったのだが、この本ではどうにもそれが探り出せない。宗教と政治が互いに牽制&尊敬しながら両立し続け、文武を分けながらもすぐに繋げられるように存亡のときに備える。中期の崩壊の危機に対しては地方分権化を採用して乗り越えるなどなど。それだけの地力を備えていたビザンツ帝国、その特異性が何なのかが伝わってこないのが残念。政治制度に由来するものではないのかも知れない。2015/01/21
書記長と化したオタンコナス
2
以前のアカウントの時と合わせると、通読2回目になるこの本。コンスタンティヌス大帝の時代から滅亡までの1000年以上の間、ビザンツ(ローマ)帝国の政治制度がどのようなもので、それがどのように変遷したかがよく分かる本。ビザンツ帝国の政治制度に興味を持たれた方は必読の本だと思っている。この本の不満点を挙げるとするなら、役職や爵位がどのようなものか説明不足である感じがしたところである。2013/11/16