目次
第四の旅(承前)(巴里の屋根の下(ルネ・クレール)
スリ(ロベール・ブレッソン) ほか)
第五の旅(ドラルー(ルイ・フヤード)
暗黒街(ジョセフ・フォン・スタンバーグ) ほか)
第六の旅(魔人ドラキュラ(トッド・ブラウニング)
ドイツ零年(ロベルト・ロッセリーニ) ほか)
第七の旅(トップハット(マーク・サンドリッチ)
ブリガドーン(ヴィンセント・ミネリ) ほか)
著者等紹介
ゴダール,ジャン=リュック[ゴダール,ジャンリュック][Godard,Jean‐Luc]
1930年12月3日パリのブルジョワ家庭に生まれる。41~47年スイスに住み、レマン湖畔のニヨンで初・中等教育をおさめる。47~49年パリにもどり、リセ・ビュフォンで高等教育をおさめる。49年パリ大学文学部の予備教育課程に籍をおき、民族学を専攻する。50年最初の批評「ジョセフ・マンキウィッツ」を「ラ・ガゼット・デュ・シネマ」誌に発表。53~54年スイスのダム工事現場で土方として働く。54年『コンクリート作戦』(短編)55年「カイエ・デュ・シネマ」誌の編集にたずさわる。56~58年ころ二十世紀フォックス・パリ支局の宣伝部で働く。58年ころ、出版社アルトー製作の探険映画の編集を一年間にわたって担当する。64年アンナ・カリーナと二人で、自分たちのプロダクション、アヌーシュカ・フィルムを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜井晴也
2
「これまでにつくられたいくつかの映画史には第一の極しかないのです。やっと第一部ができたにすぎないのです。おまけにその語り口ときたら! グリフィスはこれこれのものをつくった、うんぬん……とあって、そこにいきなり『国民の創生』のスチール写真が入ります。それだけです。しかも、われわれはそれらの言葉をうのみにする以外にないのです。私にはその映画をつくったのがグリフィスかどうかも確信できません。」2013/03/26
メルセ・ひすい
2
蔵書 既読書2010/01/01
桜井晴也
2
「諸君は自分が日々の生活のなかで口にする言葉を集め、それを小説にするということをしないわけですが、それと同じです。いや、それでも、それらの言葉は、諸君の人生という小説を形づくる言葉なのです。諸君が肉を一キロ買ったり、そのあとでタクシーに乗ったりするときに口にする言葉を集めてみれば、それらが、ある種の調和をもったなにかを構成しているのがわかるはずです。夜になってから、《ぼくは今日はなんて美しい作品をつくったことか!》と叫んだりするはずです。映画もこれとまったく同じです。」2009/07/10
uburoi
0
先日『勝手に』『ピエロ』HDリマスターで再上映されて見て、本書を1巻のみしか読んでいなかったことに思い及んだ。今では文庫本も出ているが、この単行本が出たのが1982年(『パッション』で復活した頃)で、私はその年に購入している。すでに2刷。作品製作時のエピソードも興味深いしゴダールの言葉は今だに刺激に満ちている。考えてみると自作1本とそれに関連する映像を数点上げて比較して語りながら映画史を試みるやり方、他の映画作家でも応用できる。例えばゴダールが敵視するハリウッド作家(?)C・イーストウッドなんかにも。2016/10/04
桜井晴也
0
「私は最近、ロマン・ポランスキーがいま撮っている映画の台本を読みました……というか、ざっと目を通しました。彼が記した指示にしたがって撮影しようとしても、それは絶対的に不可能でしょう。台詞はどれもごく短く、それが終わるたびに、《彼女はどこそこからどこそこへ行く》とあります。あれは目印なのです。とりわけ映画づくりの目印なのです。みんなに、よく知られた目印をたどらせるためのもの……みんなに、自分たちが撮っているのはこれこれの映画であって、別の映画ではないということを確信させるためのものなのです。」2012/04/09