内容説明
時の蔵相ロイド・ジォージは、巨大情報企業マルコニ無線会社から株を譲り受け、自由党の運営資金に充てる…?この〈マルコニ・スキャンダル〉をめぐる議会特別委員会と与党主脳たち、C.チェスタトンの裁判、大小ジャーナリズムなどの動勢をクールに描く。大衆化時代における議会制民主主義を問う政治経済のナラトロジー。
目次
第1章 「全体として考えて」
第2章 ジョージ卿に神の祝福あらんことを!
第3章 人の噂も…
第4章 夏休みに冷却を
第5章 コラプション?
第6章 筆の力、ザ・プレス
第7章 噂を知らぬは当人ばかり
第8章 「締まりなく的はずれ」の尋問
第9章 イタリックのany
第10章 『ル・マタン』事件
第11章 またもや新事実
第12章 ロイド・ジォージ、薄氷を踏む
第13章 シークレット・ファンド
第14章 李下の冠・慎重の掟
終章 セシル・チェスタトンの死