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内容説明
シカゴの大学教授のもとにイスラエルから届いた一通の手紙。七年前、不倫を犯して別れた妻からの、手放した息子への助力を訴える声に応えて男は過去へと旅立つが、病に冒され残された命はわずかだった。欧米でベストセラーの〈愛〉の問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
7
宗教的寛容さ、支配と自由がテーマだろうか。著者アモス・オズと同様イスラエルに暮らすユダヤ人の葛藤が描かれる。本作にハッピーエンドは似合わない。彼の投げかける社会と個人の問題は簡単に解決できるものでもなく、感情と理性の間に生きる人間の弱さと、強さをともに曝け出す。それにしても結末での、あの決断は痛々しい。あの選択肢を選ぶのが最良だったのか、考えこまざるをえない。この「考える」という行為をアモスは何度も読者へ迫る。途中、周りくどい文章に辟易とさせられながらも、この物語から心理的に距離をおくことが難しかった。2013/07/31
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