出版社内容情報
和歌と詞章がたがいに照射しあうところに浮かびあがる人間の普遍的真実。「昔男」の物語全段を解きつくし評しつくし味わいつくす。要語ノート・作中和歌一覧を付す。
内容説明
業平の歌をとりこみながらも、実在の業平からはるかに離陸する「昔、男」の物語。その虚構はいかに具体化されたか。和歌と詞章が照射しあうところに浮かびあがる人間の普遍的真実。
著者等紹介
鈴木日出男[スズキヒデオ]
1938年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京学芸大学助教授、成城大学教授、東京大学教授、成蹊大学教授を歴任。現在、東京大学名誉教授。専攻、古代日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
21
段ごとに語釈も評釈もあるのでとても分かりやすいです。重いから持ち運びには不向きかな…2018/06/28
双海(ふたみ)
7
本書は学習院大学蔵本『伊勢物語』を底本とする。学習院大学蔵本は、三條西家旧蔵(伝定家筆本)の証本であり現存する古写本の中で最も優れた本文を持つと言われる。本書は語釈、評釈が充実しているし、巻末の伊勢物語要語ノートもおもしろい。今後、伊勢物語を読む際にはぜひ参照しようと思う。2023/12/22
吉田裕子
2
大きめの本であるが、『伊勢物語』流布本の全段につき、本文、語釈、現代語訳、解説が入っている。410ページ、『古今和歌集』仮名序の「心余りて詞足らず」を補っていくのが『伊勢物語』ではないか、という指摘は、『伊勢物語』の作者(の一人)として紀貫之を挙げる説と結び付いて興味深い。2021/03/04