内容説明
生産活動には時間がかかります。生産手段の形成という迂回的活動により、生産時間をゼロに近づけようとすると、資本の報酬である利子もゼロに接近します。それは、資本の参入余地がなくなる成熟社会への道のりですが、私たちの無限の欲望は、常に資本が参入する時間を探し続けています。本書は、人間の欲望を資本という観点から深耕するエッセイです。
目次
頭脳派から肉体派まで多様な人間の世界―経済社会の模型
「見えざる手」に見えないモノ―市場による資源配分と市場の陥穽
「見えざる手」と「見える手」―市場と経営組織
個人と組織は異なる―人間観に基づく理論構築
ロビンソンクルーソーの閉ざされた世界―方法論的個人主義の投資理論
ロビンソンクルーソーから国家を考える―マクロ経済的視点と国家の役割
バイパスによる時間の節約(急がば回れ)―オーストリア学派の商人的資本理論
商人が考える時間―生産時間の差異と資本の参入・退出
ビデオの映像を止めると?―静学的分析と動学的分析
人間と時間の動きを捉える―投資の経済計算と株価モデル
格差と抜け駆けする狡猾な知識―時間差と創業者利得の源泉
非科学的な閃きを科学的に考える―均衡価格と起業家精神
国家権力と株式会社はグルなのか―貨幣の発行と株主の富
著者等紹介
亀川雅人[カメカワマサト]
文京学院大学副学長兼経営学研究科特任教授。立教大学名誉教授(博士:経営学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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