内容説明
川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。
1 ~ 5件/全5件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
535
お仕事小説であり、同時に同人誌オタク小説。幸代をはじめお仕事仲間4人(終盤に+1人)の面々のキャラクター、また月間企画のメンバーもそれぞれに一応魅力的ではある。構想の一貫性もあるだろう。ただ、面白いお話を語ろうというのが前面に出過ぎている。それでいて、サリメニの秘密というのが、会社ぐるみでの女衒めいた行為であったというのは説得力を欠く上に、インパクトもまた小さい。中で語られるゲイ小説もまた中途半端な出来映えであり、これまた求心力を欠いている。さらには社内の政争に巻き込まれているにしては、スリリングな⇒2025/02/13
ミカママ
523
しをんさん、こんな作品も描いてらっしゃったのね。とは言え紐といてみれば、お仕事小説であり、ちょっとだけBL小説も楽しめ、紙や印刷に対するこだわりも感じられ。とても楽しかったです。登場人物たちもみんな魅力的で。ひょっとしてご本人は、幸代にご自分を投影されてたのかもな。2018/11/11
またおやぢ
519
大人の為のお伽話。そんなん有り得ないよなぁ~と思ったら先に進めない。いいなこんな日常も…と思うと登場人物達が急に身近に思えるから不思議。そんな一冊。2014/08/16
ehirano1
418
社史編纂室に興味があったのと、著者があの三浦しをんさんということで手に取りました。 “寂しいけど楽しい”、このフレーズが心象に残りました。また、途中挿話が何回も入るのは「モダンタイムス(伊坂幸太郎)」を思い出しました。2019/07/07
にいにい
376
久々の三浦しをんさん。登場人物のキャラが半端じゃない。面白い人々が、会社の過去の闇に挑んだり、恋愛、結婚に悩む話なのだが、主役は、社史編纂室に勤める腐女子。仲間と三人コミケにBL同人誌を出すことを生きがいにする設定は、流石。社史編纂では、同僚みっこちゃんの天然も魅力的。サリメニの部分は、今一つだが、全体から創作の面白さが伝わり、コミケ、オタクの文化も今後更に伸びるのが分かる。三浦さんのいろんな面を楽しめた一冊。面白かった。2014/03/25