ちくま文庫
みみずく古本市

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  • サイズ 文庫判/ページ数 403p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480430236
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0100

出版社内容情報

博覧強記で鋭敏な感性を持つ著者が古本市に並べるのは時を経てさらに評価を高めた逸品ぞろい。新刊書に飽き足らない読者への読書案内。

内容説明

「評文を書いた当時は新刊書だったここに収めた本たちも、大半が古本になった。…これらの本たちを並べ立てた風景を頭の中の古本市に「見立て」…読者を案内つかまつろうという趣向のもとに編んでみた」。博覧強記にして鋭敏な感性を持つ著者が古本市に並べるのは、時を経てますます評価を高めた逸品ぞろい。新刊書に飽き足らない読者にも役立つ珠玉の読書案内。

目次

装幀の森―イギリスの世紀末を中心に
悪魔模様の玉垂簾―まず、お開き下さい
あちら―ロマン派から世紀末コーナー
こちら―こちたき理屈の上棚
コトバ・ことば・言葉―こだまする回廊
洋間つき和風ロビーで、ご休憩を―まあ一服
知の四股名の平積台です―BGMつき
殺しから推理にいたる長椅子の間―灰皿または薄茶つき
ピカピカの新入生さま御用達
歴史のなかの社会の舷窓―お出口はございません
お帰りに―マルチ・スクリーンTVで現代風景の暗室を
御引換権「紙魚みみずく図鑑」―ほんのヤレを三枚
古本市下足番 口上

著者等紹介

由良君美[ユラキミヨシ]
1929‐1990年。学習院大学哲学科、および英米文学科卒業。1956年、慶應義塾大学大学院英米文学専攻修士課程修了。同大学助教授を経て、65年より東京大学助教授。76年教授。89年、定年退官、名誉教授。英文学者。専門は、コールリッジを中心とした英国ロマン派文学であるが、言語学、比較文学はもとより、オカルト、サブカルチャーとその守備範囲は広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

24
書評集。てっきり著者の専攻する浪漫派、ゴシック小説を紹介したものかと思っていたら、ほとんどが批評理論を中心とするものであった。読んだことのあるのは澁澤と怪奇幻想の文学、こないだ読んだ『遊戯の終わり』とエリアーデくらい。中心とされている分野については素人の為、凄さを力説されてもどう凄いのかこちらがなかなか理解できない歯がゆさを読みながら感じる。それでも読みたいと思えてくるのはその魅力溢れる紹介故か。読んでみたいとは思いつつこの分野、ソーカル事件みたいな事もあるのでちょっと近寄るのを敬遠しています。2013/02/04

白義

9
本書収録の文章のほとんどが70~80年台前半に書かれた書評。全体的に時代の香りが漂うもののそれを考慮しても気宇壮大な博覧強記、一回一回が全力の書評である。ラヴジョイの観念史にバフチン、ロシア・フォルマリズムといった当時最先端の批評理論に食いつくアンテナの鋭さだけでなくそれを平易に紹介する語り口は自由闊達で、そこから日本文学も英文学も捉えなおす切れ味は抜群、高山宏や四方田犬彦の師匠というのが納得できる広く深く、そして面白い。書物の宇宙と全力で向き合いそれを解き放つイマジネーションと構想力にただ見惚れる一冊だ2018/05/04

rien

3
頁を繰る手が随分と停滞したあと、奇しくも由良君美の書評を集めた本が100冊目となりました。彼のような厳しくも温かな(あるいは穏やかであれ刺すような)批評は昨今なかなか稀有ではないでしょうか。筑摩文庫はこの勢いで由良氏の著作をどしどし文庫化してくださると嬉しいのですが、如何。あるいは、むしろこちらを望みますが、由良君美の全集を彼が要求するレベルでぜひ編集・刊行していただければと切に願います。2013/01/15

kobbanova

2
由良君美による書評を集めたもの。批評のため縦横無尽に取り上げられる人名などの大半を知らなかったりしても、バッサリと切り捨てる小気味よさが面白くてたまらない。知の在り方を論じ尽くそうとするかのような勢いと難易度の高さに関わらず、エッセイとして滑らかに読めてしまうリズムカルな構成と筆力はやっぱ凄いなぁ。2013/02/05

amanon

1
タイトルから推して、著者が狩猟した古本を巡るエピソードを綴った物と思いきや、書評集。著者解説にてその意味を知り納得した次第。本書で紹介された本のうち、今もちゃんと手に入るものがどれだけあるだろう?と考えると、著者の嘆きが聞こえてきそう。著者の英文学界、出版業界、評論界に対する闊達で辛口の批判を読んでいると、何とも言えない痛快さを覚えると共に、当時より更にお粗末になった出版業界に活を入れてもらいたいと思うことしきり。個人的には蓮見の著作をとりあげた項が特に興味深かったが、解説でも言及されたのが嬉しかった。2013/03/05

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