出版社内容情報
家族や大切な人を失ったあとには深い悲しみが続く。悲しみのプロセスを理解し、乗り越えるための思いやりにあふれたアドバイス。解説 中下大樹
内容説明
「ほとんどの人は実際に愛する者を失うまで、死別の悲しみがどんなものか、本当にはわかっていません。この本では死別の悲しみが始まった時から、それを乗り切るまでの全過程が説明されています。悲しみのプロセスを理解することが、悲しみを乗り越えるための助けになると信じます。」死別の悲しみを30年以上も研究したカウンセラーのアドバイスが心に灯をともす。
目次
私の死別体験
死別の悲しみ
第一段階“ショック”
第二段階“喪失の認識”
第三段階“引きこもり”
第四段階“癒し”
第五段階“再生”
子供を亡くした親の悲しみ
配偶者の死―パートナーを失う
親の死―成人後に「孤児」になる
家族全体の悲しみ
別れの儀式の持つ意
死別の悲しみを乗り越える
著者等紹介
サンダーズ,キャサリン・M.[サンダーズ,キャサリンM.][Sanders,Catherine M.]
アメリカの臨床心理学者。死別の悲しみについての研究・カウンセリング・教育では、30年以上のキャリアがある
白根美保子[シラネミホコ]
東京生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
62
グリーフの会でファシリテーターをさせていただいている。その中のグリーフについて学ぶところで紹介があった本。最初は文庫本を図書館で借りたけれど、あまりの字の小ささに断念し、青い単行本の方を購入。とても素晴らしい本だった。ものすごくささるところがあり、本に線をひきまくった。そして、私の死別の履歴、喪失から回復まで、当時の気持ちを受け止めることができた。「大きな悲しみに出会うことは本当につらいことですが、正面から向き合ってしっかり乗り越えた時には、それまで以上にすばらしい幸福と出会うことができます。」2023/08/06
ココマ
14
家族を亡くした時にこんな細かい字が読めるか。どうせ外国の物で思考も違って参考にならないと思いながら読んだが今や手離せない1冊になった。哀しみを経験した著者の膨大な調べから上手にまとめられ、共感できる箇所ばかりだ。大事なのは葬儀も終わり人も来なくなった時期からなのだ。1人でいたいが孤独は嫌だ、誰か家の中にいてくれという独特の寂しさ、ひきこもり期からいつどう抜けるのかまで語られていて、よくわかってるなと思う程温かな視線で書かれていて、落ち込みの時にも役立つ本だと感じるし、もっとメジャーになってほしい本である。2020/10/18
Miyoshi Hirotaka
6
人生に降りかかる様々な出来事の結果は自分ではコントロールできない。愛するものとの死別もその一つである。ほとんどの場合準備ができていないだけでなく、周囲の支援は早く終わってしまう。回復の時期までは、じっと待つしかない。この悲しみのプロセスを省略したり、早めたりすることはできず、無理をすると消耗し、命を縮める。心と体は一体だ。死は衝撃的な変化をもたらすため忌むべきものとされがちだが、それを乗り越えて生きることにより、魂は成長する。悲しみは喜びを大きくし、絶望は笑いをより素晴らしいものにする。2013/06/20
すーふ
2
去年の夏、70代の母に悪性脳腫瘍が見つかり介護の末今年の7月に看取った。完治は望めず一年ほどで看取りになると覚悟はしていたが、実際に母を亡くしたら自分がどんな精神状態になるのか、どう変化していく可能性があるか理解することで対処できるかもしれないと思い、読んだ。死の受容についてステップ毎に詳細に書かれていて、内容は非常に共感できた。自分の感じている状態が言語化されているのを読むことである種癒しになるというか、気持ちを整理し落ち着けるのに役立ったと思う。2024/08/01
K
2
(2000,141.6)グリーフケアは、493.7か、367か、はたまた914.6か・・。というところ。これは情操。ショック、喪失、引きこもり、癒し、再生という5段階のうち、2と3の対処法が重要かと。古い本だけれど有効。時代を経ても科学的に研究が進んでいないという意味なのかどうか。2020/08/17