ちくま文庫
トヨタの闇

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480427175
  • NDC分類 537.09
  • Cコード C0136

内容説明

巨額の広告宣伝費によって、マスコミによるトヨタ批判は事実上、封じられてきた。だがその裏では、従業員は賃金のつかない数々の“自主活動”によって苛酷な労働を強いられ、過労死や自殺が続発している。社員の命を軽視する会社は消費者の命も軽視する。長期化するアメリカでのリコール問題の原型は、すでに国内にもあった。日本を代表する超巨大企業で何が起きていたのか。知られざる現場の真実を抉り出す。

目次

はじめに―トヨタは本当に優良企業なのか(渡邉正裕)
第1章 トヨタの本質はなぜ報じられないか―広告料日本一の圧力
第2章 トヨタの社員は幸せか―職場環境の実態
第3章 トヨタ車の性能は高いのか―実は欠陥車率99・9%
第4章 下請け社員を苦しめていないか―「自動車絶望工場のトヨタ下請け
第5章 世界での評判―広がる反トヨタ・キャンペーン
第6章 やっぱり大問題を起こしたトヨタ―今回も反省なし
おわりに―『破滅へと向かう旧日本軍』にならないために(林克明)

著者等紹介

渡邉正裕[ワタナベマサヒロ]
1972年、東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、日本経済新聞社、日本IBMを経て2004年、My News Japanを設立

林克明[ハヤシマサアキ]
1960年、長野生まれ。業界誌・週刊誌の記者として働く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GAKU

37
トヨタ批判の著書だから、当然酷い会社だなと言うのが率直な意見。でも会社、組織って多かれ少なかれ、同じような問題を抱えているのではないでしょうか?元社員がトヨタを「プチ北朝鮮だった。」と表現していたのには笑った。でもこのような組織から抜け出すか、順応して一生頑張るか、あくまで社員一人ひとりの判断だと思うのですが。私だったら、即辞めます(笑)2024/01/17

kinkin

9
膨大な収益をあげるトヨタ自動車。巨額の広告費でマスメディアに睨みをきかせているために、なかなか闇の部分が見えてこなかったが、この本は、それを見事に暴いていると感じた。サービス残業、過労死、自殺、リコール問題など、大きな課題を持ち続けながらもいまだ、根本的な体質改善がなされていない。これは、日本の大企業ほぼ全てにあてはまる問題ではないだろうか。著者は最後に、トヨタ問題の本質は、日本型統治機構の不全であると締めくくっている。大手出版社からこの書が出版されないことがトヨタの力を垣間見たようで怖いと思った。2014/02/14

hayatama

5
どうしてもこういう本ってソースが赤旗になってしまうので、共産党的見解が幅をきかせてしまう。赤旗は党派性をはっきりと打ち出していることで、代々木批判以外タブーはない。一方で、いわゆる商業マスコミは、広告を通じて多くのタブーを持つ。悲しい日本のメディアの現実が垣間見えた。内容は、少しためにする批判もあるような気がした。2010/05/28

小僧武士

3
最近では、ソーシャルゲームのCMが増えてから課金制の問題点をニュースでやらなくなった。民間放送では分からなくもないが、なぜ公共放送であるNHKが民間と横並びで独自性がないのか。賄賂でも受け取っているのかしらん。2015/08/13

yamayuuri

2
熟読。自動車絶望工場の時代といまのトヨタ、そんなに変わったんだろうか。期間工は肉体的な辛さがあるが、正社員の心理的なプレッシャーや閉塞感たるや、またこれも想像すると痛い。しかし結局のところ、筆者が言いたいのはトヨタを批判しているようでありながら、日本の企業社会全体の奥底にあるものをさりげに批判しているように見える。ルポとしては、リコール件数をあそこまで調べ上げたのは秀逸だが、聞き取りベタ起こしの部分が多く、ちょっとそこはどうかと。2010/08/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/582221
  • ご注意事項

最近チェックした商品