ちくま文庫
女たちの荷風

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426086
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

夜の疲れを引きずったままの朝の女郎衆を見て、「あれが美しく見えなくちゃあ、小説は書けませんぜえ」と荷風は言ってのけた。奔放なことで有名な荷風の女性関係だが、著者は当時の資料に丁寧にあたりその虚実に迫る。また、引用とともに男女の様が生き生きと蘇る。荷風自身が記した「愛人一覧表」の16人はもとより、それ以外の女性も多数登場。十人十色、百人百色。

目次

めざめのころ
深川の恋
異国で別れた女
二度の結婚と離婚
人騒がせな「文学芸者」
男の後悔
性懲りもなく
終生の愛人と男の夢
墨東の女たち

著者等紹介

松本哉[マツモトハジメ]
1943年兵庫県神戸市生まれ。作家・風景画家。1967年神戸大学理学部物理学科卒。河出書房新社、東京図書で、1985年まで、物理・天文の専門書の編集に従事したのち、文筆業に。2006年10月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ワッピー

5
女性目線で読み解く永井荷風。「断腸亭日乗」に出てくる愛人リストを基にして、荷風の作品に現れた女性関係を探っていきます。「~日乗」にもかなり記述がありますが、結婚を2度、愛人は少なくとも16名、「此外臨時のもの挙ぐるに遑あらず」の艶福家荷風は、女性の側から見てどうだったか、当時わざわざインタビューした『万朝報』の記事紹介もありました。養子から見た荷風は「ケチ」だったそうですが、愛人には比較的鷹揚で、口調も丁寧だったそうです。一方、家庭人としては「妻の心得」を要求すると豪語。荷風世界の面白さを満喫しました。2018/10/11

ゆた

1
一方を聞いて沙汰すなというけど、過去の人に置いてはなかなか素人さんの方の供述を知ることは出来ないものだがこれは当時の荷風先生の愛人の書いた引用もあって女から見たらどうだったかが知れてとても面白かった。 荷風先生は若い女という概念は愛したのかもしれないけれど、個人としては真摯に自分以外を愛することは無かったのかなと思った。2019/01/11

Gen Kato

0
再読。お相手としてはやはり藤蔭静樹の爆走ぶりがスゴイです。彼女の書いた文章や関根歌さんの証言もあったりして、女側から見た荷風の姿、『日乗』に描かれなかった部分がうっすら見える。2013/09/08

sasha

0
自身の「愛人一覧」を残す作家も珍しい。女性遍歴がそのまま作品に反映しているのも荷風散人らしくていい。でも、男の身勝手なんだけど。2010/07/27

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