出版社内容情報
壱岐─吉野─長野─青森を繋ぐ南朝の隠し財産の秘密。取材に訪れた塔馬の友人に立川流の信者の影が迫る。本格歴史長篇ミステリー
内容説明
取材で隠岐を訪れた、推理作家のチョーサクと編集者のリサは、後醍醐天皇の隠し財宝にまつわる殺人事件を偶然耳にする。歴史を辿って吉野へ向かう二人に迫る謎の宗教団体の影。塔馬双太郎は、隠岐―吉野―長野―青森を結ぶ南朝の謎を解くため、東北の奇祭「火流し」のある村へ向かった。本格歴史ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
59
オモロかった。 前作に引き続き、トーマ、チョーサク、リサ、タコが登場。 ここに出てくる謎の宗教団体の事は他の作家さんの作品でも登場してるのを読んだ事がある。自分の中では都市伝説といえばあの秘密結社が思い浮かぶのと同じぐらい、歴史ミステリーといえばこの宗教団体が思い浮かぶ日が近い気がします。2013/01/15
TheWho
17
南北朝争乱の歴史秘話と後醍醐天皇の財宝伝説に絡む殺人事件の謎を巡る歴史ミステリー。物語は、推理小説家と雑誌編集者が、取材で訪れた隠岐島で後醍醐天皇の隠し財宝伝説と殺人事件を偶然に耳にし、そして巻き込まれ奈良吉野と長野、青森と南北朝争乱の悲話を追いかけながら実際にあった殺人事件と後醍醐天皇の財宝伝説の謎を解き明かす。前読の重く深い高木彬光本とは違い、読み易い文体で、割とアッサリとした軽い結末であった。歴史ミステリー好きには安心して読める一冊です。2015/05/25
James Hayashi
7
歴史ミステリーで、隠岐、吉野、長野、青森など後醍醐天皇の足跡を追い、乾坤通宝という幻の貨幣の真偽を問う。殺人事件を絡めストーリーを複雑化しているが、読みやすかった。数年前、吉野へ足を運んだがもっと勉強していくべきだった。歴史は嫌いでも、こういった本から入ると入りやすいかも。2014/01/15
kuribosu
5
後醍醐天皇、南朝もの歴史ミステリー。南朝の歴史は、日本の歴史にあって黒歴史なんだろうか?源平の次は戦国時代といった感じで、南北朝の時代はテレビでもみかけない。後醍醐天皇は権力志向のねちっこさ加減では、歴史上ベスト5には入るように思うし、この時代はなかなか面白い時代と思うのでもっと小説になったらいいのにと思う。2017/11/16
カズザク
3
後醍醐天皇や息子達が、流刑や逃亡で辿り着いた土地は、島であったり山奥であったり…所謂ド田舎である。今の世で言えば、若い人が定着せずに去っていく…所謂過疎地である。後醍醐天皇所縁の土地の若者が、協力して町起こし!有名人…作家を上手く利用して、さりげなく裏情報を提供し、雑誌か何かに書いもらう…話題沸騰間違い無し!…が、思わぬ所で殺人事件と結び付いてしまい、策に嵌めたつもりが己が破滅に…隠岐、吉野、長野、青森と話が大きくなった割に、謎が解けてみれば小さな話…。そのGAPが、今まで味わった事がなく、新鮮に感じた。2023/07/23