内容説明
つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる“夢の作品群”と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた“日常もの”を集大成。
著者等紹介
つげ義春[ツゲヨシハル]
1937(昭和12)年、東京葛飾生まれ。小学校卒業とともにメッキ工場に勤める。その後職を変わりながら、職業としてマンガ家をめざし、1955(昭和30)年に単行本『白面夜叉』で本格デビュー。貸本マンガや子供向け雑誌で活躍。1965(昭和40)年から「月刊漫画ガロ」に作品を発表し、じょじょに注目を集めるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
66
ずっと気になっていたが「まだ、時期じゃない」という直感から避けていたつげ義春作品。奇しくも追悼読書になってしまった。直観は正解だった。潔癖だった頃に読んでいたら二度とは読まなかったでしょう。奇妙で懐かしい悪夢の世界に紛れるエロシズム。なし崩しに始まる情事は男性の妄想っぽくもあるので本当に起こった事か、釈然としない。そしてぬかるみと格闘している内に下着が脱げる、奇妙な笑い方の女主人など、間に抜けた要素が日常の延長としてのエロの哀しみと自虐を際立たせている。「外のふくらみ」はリミナル・スペースの嚆矢のよう。2026/08/18
榊原 香織
63
うわ、アングラすぎて苦手 と思ったが、”窓の手”のシュールさと、若夫婦物の奥さんの方は好きだ(夫=本人?はヤ) 伝説の漫画 コレクション9の12022/03/25
ito
61
温泉紀行を読んでから、つげ義春のマイブームが久々に到来し、再読した。ねじ式は夢の話みたいで今でもよくわからない。メメクラゲが印象的でメメクラゲが何なのか、気になって読み進めるとさらによくわからない幻想的な世界に入り込み、あっという間に終わってしまう。一緒に夢を見た気分になる。私が好きなのはやはり、ゲンセンカン主人と夜が摑むだ。どちらも幻想的で、登場人物の思い込みの激しさが他人とは思えない。つげさんの魅力を紹介するのは難しいので、なかなかわかってもらえそうにないが、自分に対する極端な自信のなさに共感する。2013/05/30
Vakira
44
つげ義春 何十年ぶりかで読み始めた。この「ねじ式」シュールで面白い。ストーリー漫画しか知らなかったので初めてこの漫画を知った時は衝撃だった思い出。本人解説ではたまたま描く題材がなく夢の話を漫画にしたら思いもなく評価されたと照れ隠しに語る。しかしこの夢こそが実は人間の脳には必要なものだ。夢を見ていることによって危機への疑似体験をし、現実に危機に直面した場合落ち着いて対応が出来るようになるらしい。第二のはちゃめちゃ 人生って事かな。だから××クラゲに血管を切られたときは産婦人科の女医さんを探してみよう。2017/07/09
竹園和明
42
現実離れしたシュールな作品群。これを真正面から理解しようとすると絶対理解出来ない。押し潰されそうなほどの閉塞感の中、生き残るのは本能のみである事を感性で感じるべし。頽廃的な世界観が湿った空気のように纏わり付いて来る。60年代の学生運動を背景にした激動期と、それが終り70年代の無力感漂う時代に変わって行くその狭間の宙ぶらりんな時代の不安感と、直情的な欲望が見事に反映された作品ばかりだ。SNSや○○ペイなどない時代。若者は鬱屈した感情を持て余し、時にそれを暴発させていた。本能が力強かったのかも知れない。2022/04/29




