出版社内容情報
閉じた道徳/開かれた道徳、静的宗教/動的宗教への洞察から、個人のエネルギーが人類全体の倫理的行為へ向う可能性を問う。最後の哲学的主著新訳。
内容説明
科学的知見が急発展をとげる20世紀初頭にあって、新しい認識論を提唱しつづけたベルクソン。その主要著作4冊のうち、哲学的遺作ともいうべき本書は、これまでの思考をふまえた上で、道徳と社会を「閉じたもの」と「開かれたもの」に、宗教を「静的宗教」と「動的宗教」に分け、個人から生まれ出たエネルギーが人類全体への倫理的・宗教的行為へと向かう、真の神秘主義の可能性を問う。産業至上主義の世界が第二次大戦へと進んでいく時代の、強い危機感のなかで、アクチュアルな意識をもって執筆された著作。学芸文庫新訳。
目次
第1章 道徳的責務(社会秩序と自然秩序;社会のなかの個人 ほか)
第2章 静的宗教(理性的存在における不条理について;作話機能 ほか)
第3章 動的宗教(宗教という語の二つの意味;なぜ宗教という同じ語を使うのか? ほか)
第4章 最後の指摘 機械主義と神秘主義(閉じた諸社会と開かれた社会;自然的なものの存続 ほか)
著者等紹介
ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ] [Bergson,Henri]
1859‐1941年。パリ生まれ。旧来の認識論の限界を超えるべく実証主義の手法を採り入れ、すべてを持続の相の下に捉え直し、直観によってこそ生きた現実が把握されるとする独自の経験論を確立。1900‐21年コレージュ・ド・フランス教授。第一次大戦頃より政治的発言や活動も多く、1929年ノーベル文学賞を受賞
合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。明治大学教授。フランス思想史
小野浩太郎[オノコウタロウ]
1978年生まれ。パリ第一大学パンテオン・ソルボンヌ哲学科博士課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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