出版社内容情報
運動・有機体・秩序。見えないものに形を与え、目に見えるようにするのが芸術の本質だ。ベンヤミンをも虜にした彼の思想とは。解説 岡田温司
パウル・クレー[パウル・クレー]
土方 定一[ヒジカタ テイイチ]
菊盛 英夫[キクモリ ヒデオ]
坂崎 乙郎[サカザキ オツロウ]
内容説明
「『造形思考』は、レオナルドの数々の『手稿』に匹敵するといっても、おそらく誇張にはならないだろう」(「文庫版解説」より)。クレーの思索は、動力学、光学、解剖学にまで及ぶ。そして芸術の本質を、「見えるものをそのまま再現するのではなく、見えるようにすること」と見定める。形態そのものでなく形成や造形を捉えること。そして「運動」と「反対運動」の均衡を見出すことにより、構図上の平衡が成立するという。縦横無尽に走る思索は、まさに“普遍人”の再来というにふさわしい。
目次
造形フォルム論によせて(生成の基本概念 運動の造形。フォルムにいたる過程の強調 自然研究と結びついた造形論 過程と目標の緊張。本質と現象 自然と抽象;造形的全体の組成 運動有機体。組成の性格とその評価。領域と部分;純粋な色の秩序と本質 色彩関係を示す場でしめる位置 面上での色の有限な、および無限な運動 色の部分活動と色の全体性)
著者等紹介
クレー,パウル[クレー,パウル] [Klee,Paul]
1879‐1940年。スイス生まれ。1898年にドイツのミュンヘンに出ると、以後ヨーロッパ各地を遍歴しつつ美術の研鑽を積む。第一次世界大戦での動員を経て、1921年から約10年間バウハウスに奉職。退職後にナチスが台頭すると祖国スイスに亡命し、晩年まで制作活動を続けた。作風は独自なもので、美術界のみならず多方面に影響を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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