内容説明
有名芸術家の名作はもとより、版画や挿絵、広告や記念碑に至るまで、美術作品が、何のために、どのように描かれてきたか―それが「イメージの歴史」だ。ここではさまざまな学問領域を自由に往来し、ポスト・コロニアル的かつジェンダー的な視線で従来の美術史を書き換える。絵画と社会のかかわりや画像の解釈方法などの理論を踏まえ、さらに西欧文化が繰り返し描いてきたイメージにメスを入れ、その精神的・社会的な背景を明らかにする。レイプを描き続けたのはなぜか、新しい政治形態はどのような画像を生んだか―人間の想像力に新たな光を当てる美術史の誕生。
目次
序―「イメージの歴史」とは
理論編(新しい美術史の理論;イメージ生産の目的;イメージ解釈の方法 図像のコード;イメージ解釈の方法 表現様式)
実践編(カノン(正典)の成立 古代社会のイメージと心性
中世西欧のイコン 聖母像
ギリシャの復活 ルネサンスの公共彫刻
女性英雄をめぐる問題
フランス革命と公共彫刻
フランス革命と民衆
自由の女神―アメリカのイメージ
十九世紀ナショナリズムと植民地への視線
ファシズムのプロパガンダと古代のカノン
二〇世紀の日本―東京の公共彫刻)
著者等紹介
若桑みどり[ワカクワミドリ]
1935‐2007年。東京芸術大学美術学部芸術学専攻科卒業。1961‐63年、イタリア政府給費留学生としてローマ大学に留学。専門は西洋美術史、表象文化論、ジェンダー文化論。千葉大学名誉教授。『全集美術のなかの裸婦寓意と象徴の女性像』を中心とした業績でサントリー学芸賞、『薔薇のイコノロジー』で芸術選奨文部大臣賞、イタリア共和国カヴァリエレ賞、天正遣欧少年使節を描いた『クアトロ・ラガッツィ』で大佛次郎賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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