目次
爛熟の後に来るもの
アメリカにおけるモダニズムの受容
読み替えられるモダニズム
失速したモダニストたち
日本における「日本」の受容
「3mの良心」を持つこと
「ケンゾー・タンゲ」という存在
建築を保存すること
空港~どこでもない場所
インテリア・デザインの居場所
建築写真の行方
アイリーン・グレイとリリー・ライヒに想うこと
消費されるモダニズム
出口なき道の行方
著者等紹介
岸和郎[キシワロウ]
建築家。1950年、神奈川県横浜市生まれ。1973年、京都大学工学部電気工学科卒業。1975年、京都大学工学部建築学科卒業。1978年、同大学院修士課程建築学専攻修了。1981年、岸和郎建築設計事務所を設立。1993年、K.ASSOCIATES/Architectsに改組改称。1993‐2010年、京都工芸繊維大学にて教鞭をとる。2000‐10年、同大学大学院工芸科学研究科・建築設計学専攻教授。2003年、カリフォルニア大学バークレー校客員教授。2004年、マサチューセッツ工科大学客員教授。2010年より、京都大学大学院工学研究科・建築学専攻教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵐窟庵
3
本書はモダニズム建築という大きなイズムを各時代の建築家がいかに自らの社会に迫られて各々変形したかという、理想の行く末の袋小路について書かれている。理想なき時代において建築がいかようにも作れてしまう社会においてもなお理想を見出そうともがいた跡や、西洋文化に対する日本文化の適合と言った具体的事例が挙げられる。引用、操作、変形、再解釈などと言った様々なアプローチはいずれもこうした袋小路化して行く過程において生まれる。しかし逆説的にその変形があってこそ一つの大きな理想が後代に歴史として再定義されたのではないか。2021/02/11