出版社内容情報
社会学の生命がかよう具体的な内容を、簡潔かつ読んで面白い50の命題の形で提示した、定評ある社会学辞典。
内容説明
社会学のエッセンスを、各分野の第一人者が、読んで面白い48の命題で、コンパクトに解説。個々の解説では、ものごとの自明性を疑うという社会学的な発想はもちろんのこと、社会学的な発想そのものを超えるパースペクティブが巧みに示される。ジンメルの「外集団への敵対と内集団の親和」や、デュルケムの「人格崇拝の成立」、ミードの「自我の社会性」、ゴフマンの「自己呈示のドラマツルギー」といった社会学の基本命題の他、ヴェブレンの「誇示的消費」、藤田省三の「天皇制国家の支配原理」、ベイトソンの「ダブル・バインド」など、思考を鍛える隣接分野からの命題も多数収録。
目次
社会的存在としての人間
行為と関係
集団と組織
システムとしての社会
類型と比較
社会の変動
近代から現代へ
付論 社会学的命題の構造の分析
著者等紹介
作田啓一[サクタケイイチ]
1922年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。現在京都大学名誉教授。社会学者
井上俊[イノウエシュン]
1938年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。現在大阪大学名誉教授。社会学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
20
選定されているトピックが特徴的で面白い(解説にも書いてある)。だが流石に古さは否めない。類書の『社会学の力』と読み比べると面白いかも。2023/01/29
壱萬参仟縁
7
こういう本が図書館蔵書であるのがありがたい。文庫ではあるが、事典的に辞書を引くような感じで簡にして要を得た説明がうれしい。2番目のK.ローレンツ「人間の攻撃性」では、「同種内で殺し合いをするのは人間だけである」(023ページ)。このことばはとても重く感じた。個人的には殺人事件、集団になると戦争となる。最大の人権侵害だからだ。M.モースの贈与論も興味深い。贈与の義務的特性(225ページ)。提供、受容、返礼は確実にこなす必要があるようだ。日本人の義理人情とも関わる内容であろうか。社会学の古典から多く学べる書。2012/11/28
ぽん教授(非実在系)
3
昭和末初版なため、流石に古すぎる説(フェミニズムが特に該当する)や社会学で扱うのは疑問符が付く説(特に藤田省三)があったりするが、それでも面白さは十分にある。京大大学院入試の種本となってただけはあり、入門というよりはすでにある程度知っている人がささっと通読して知識を再整理したり、考えを研ぎ澄ませたりするのに役立つ。しかし、執筆者がバラバラであるせいか、中身のキレが項目ごとにだいぶ違うように感じてしまう。この本の内容自体を社会学して編著者全員を殴るという楽しみ方もOKであろう。2019/03/24
かんしゅん
2
本書は一貫性に欠けているって冒頭に書かれていたけど、実際体系だってはいなくて、面白かったものの全体像を把握するのには向いていない。ただ、たとえ断片的であったとしても今後に繋がる面白さがあったので問題なし。次は『よくわかる〜』シリーズを読んでみたい。2017/05/19
void
2
【★★★★★】<意外性><非自明性>の解明という<面白さ>を基準に、48の命題を各8頁前後で(主要な批判も含めた)紹介・解説・歴史的位置づけしたもの。原著刊行が86年であり、時代的制約は確かにあり、2つの命題は著者の意向で文庫に収録されていないが、仮に命題として否定されていても考えとして・パースペクティブの提示として無益なものはないし、何より<面白い>ことに変わりはない。社会学に軽くしか触れていないこともあってすごく楽かったし割りと読みやすくてサクサク進めました。手元に一冊あると嬉しい本ですね。2012/01/13
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