出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
5次方程式の解の公式は代数的に求められるのか?この問題は若き天才ガロアによって解決されたが、ガロアが捉えた「群」の概念は、方程式論に限らずその後の数学全体を一変させるインパクトを持つものであった。本書は線形代数を巧みに利用しつつ、“ガロアの理論”をより抽象的・現代的な体の拡大理論としての“ガロア理論”にまとめ上げていく。直截簡明な叙述でコンパクトにまとまっていながら、大数学者アルティンの卓抜なアイディアあふれる名著。訳者による充実の練習問題・解答付きで入門書としても最適の一冊。
目次
第1章 線形代数(体;ベクトル空間;同次線形連立方程式 ほか)
第2章 体論(拡大体;多項式;代数的要素 ほか)
第3章 応用(群論からの追加;方程式の累乗根による可解性;方程式のガロア群 ほか)
著者等紹介
アルティン,エミール[アルティン,エミール][Artin,Emil]
1898年、オーストリアのウィーン生まれ。ライプツィヒ大学卒業後、ハンブルク大学教授に就任。1937年に渡米し、ノートル・ダム大学、インディアナ大学、スタンフォード大学等で教鞭を執った後、1946年プリンストン大学教授。1958年に帰国し1962年没
寺田文行[テラダフミユキ]
1927年、静岡県生まれ。東北帝国大学理学部数学科卒業。東北大学教養部助教授を経て早稲田大学理工学部教授。現在、早稲田大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
14
途中から理解できなくなった、悔しい。しかし、演習問題が無ければもっとはやく躓いていただろうな。今度はもう少しじっくり読んで、理解することを目指していきたい。2016/04/24
オザマチ
11
演習問題も併用しながら自分で体や群の具体例を明確にしながら読み進めた。が、後半でまた挫折。2018/05/05
オザマチ
10
文庫本なので気軽に再チャレンジできる。スマホでWeb上での解説を参照したり、具体例を考えながらゆっくり読んだ。2019/02/10
MrO
3
このアルティンの名著が文庫本で読めるのは、素晴らしいことだ。この薄さでわかるように、説明は簡潔を極める。問題を解きながら、理解を確かめていかないと、何が分かっていないんだが理解できない。懐かしの寺田先生による解答は充分に詳しいので、不足はない。文庫本を一冊持って旅に出るような爺ちゃんになってみたいもんだ。2013/02/13
LUNE MER
2
アルティンの展開(証明方法等)は妙技と呼ぶに相応しく、道筋を辿るだけでも感じ入るものがある。 メインではないが クラメールの公式(行列式を使った連立一次方程式の解の公式)の導き方は、通常の線型代数の教科書で紹介される方法よりも遥かに簡単で最短コースを辿っており、何故この方法が紹介されないのか不思議なくらい。