出版社内容情報
幸之助神話とともに家電業界の雄となった松下電器は、その神話ゆえにコンピュータ参入の機を失ってしまう。トップの決断を問う書
内容説明
没落した小地主の家に生れ丁稚奉公に出た少年は、どのように一代で世界のマツシタと称される家電メーカーを作り上げたか。松下幸之助のサクセス・ストーリーを可能にした昭和という時代を描きながら、その「経営の神様」がなぜコンピュータ時代の到来を予測し得ずに、松下グループに苦悩を強いたのかを問う。
目次
第1章 山下俊彦社長就任劇の謎
第2章 幸之助の前線復帰―熱海会談
第3章 コンピュータ撤退
第4章 同族経営の時代
第5章 番頭体制の時代
第6章 2人の大番頭―丹羽正治と高橋荒太郎
第7章 最大の危機―PHP運動の開始
第8章 戒律なき宗教
第9章 批判される商法―消費者運動の波
第10章 パナファコム―富士通との提携
第11章 山下俊彦の9年間
第12章 神話は呪縛する
第13章 松下正治の16年間
第14章 もうひとつの「山下社長就任劇」
第15章 「神様」は何だったのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とらちゃん
1
初版が昭和63年の作品。仕事等でお世話になったパナソニックの方々を思い起こしながら読んだ。表題の「復讐する神話」とは「経営の神様」松下幸之助氏が当時下した「コンピュータ事業からの撤退」がその後松下電器の経営判断において長きにわたって呪縛となり苦しめることになったという意味合い。良くも悪くも同社が「コーノスケ・アンド・ヒズカンパニー」であることが関係者への地道な取材や証言、各種資料に基づいて丹念に示される。幸之助氏を取り巻く人間模様やご本人の真意の分析も人心の機微を見据えて秀逸。大変読み応えのある力作だった2021/08/28
イカ男
0
20年間お世話になった会社のことだけに、出てくる登場人物の名前にも憶えがあり、一気に読めました。コウノスケ アンド ヒズ カンパニーとしての描き方に合点がいった。2011/02/09