ちくま学芸文庫
数学の自由性

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480092816
  • NDC分類 410.4
  • Cコード C0141

出版社内容情報

内容は後日登録

内容説明

和算から洋算へ、時の明治政府は大きく舵を切る。高木貞治はまさにその時代に生まれた。帝国大学数学専攻の同学年生はわずか3人。将来を嘱望されるなか、ヒルベルトのもとへのドイツ留学を経て、相対アーベル体論としての類体論を構築した世界的数学者は、若い数学者を次々と育てるとともに、学生や向学心に燃える人々に数学の魅力を語った。その語り口には巧まぬユーモアがにじみ出ていた。本書は60年ぶりに復刊となる同名エッセイ集を中心に、「過渡期の数学」「訓練上数学の価値」や「一数学者の回想」など、大数学者の人となりをうかがわせる作品を集めた。文庫オリジナル。

目次

数学の自由性
過渡期の数学
訓練上数学の価値 附数学的論理学
どうすれば数学の力を養うことができるか
自然数論について
数学・世界・像
オイレル方陣について
現代数学の抽象的性格について
数学教育偶感
一数学者の回想
中学時代のこと
明治の先生がた

著者等紹介

高木貞治[タカギテイジ]
1875‐1960年。岐阜県生まれ。東京帝国大学理科大学で数学専攻。卒業後3年間ドイツ留学。ゲッチンゲン大学ではヒルベルトに師事。代数的整数論での類体論の構築により世界的に著名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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キョートマン

14
とうじ帝国大学で数学専攻の学生は3人しかいなかった。その中に高木貞治みたいなハイポテンシャルな人が含まれているってすごい偶然じゃないか!?軽妙な語り口のエッセイも面白い2021/11/07

MAT-TUN

6
高木貞治先生の有名なジョーク「ビ分のことはビ分でせよ」の原典はこれだったのか。微分積分学の基本定理「区間Iでf(x)が連続ならば、区間Iで微分可能な関数FがありF'(x)=f(x)」は微分学の問題であってリーマン積分可能というような積分学の定理を使って証明するのは気持ち悪いというS氏がいた。そこで微分のみの証明にS氏は粉骨するのだが、これはいわばセクショナリズムで、橋の真ん中で行き倒れがあったとき、微分署と積文署のどちらが引取るかという争いみたいなもんだと。「微分のことは微分でやる」は無益苦行という指摘2012/07/01

Hachi_bee

3
繰り返す。 「数学の本は紙と鉛筆を手元に置いて読まなくちゃ!」 エッセーだからと行って侮るなかれ。 「微分のことは微分で」という駄洒落のことは矢野健太郎氏の啓発本で知っていたが、本書にて原典に当たることができた。 本書も購入してから大分経ってから読み始め、仮初めにも「読了」とするまでにも時間がかかった。 「解析概論」を一緒に読もうということで25年前に結婚した連れ合いとは、まだ一度も一緒に読んでいないことに気が付いた。2021/04/11

たもん

2
様々な機会に記された数学エッセイをまとめたものなので、記事によって硬軟、難易に幅が大きい。数学教育に関する意見は今日に置いても意義があると思う。2010/09/04

Kamogawawalker

1
軽妙な筆致で語られ、難解な内容も含みながら、親しみが持て、楽しく読めました。飄々としたユーモアを持つ著者だけに、空襲によって一切の書物が灰燼に帰した際の、茫然と立ち尽くしていたという描写がより印象を強くし、「数学の自由性」というタイトルがその意味でもより際立ってくるように感じました。2014/06/05

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