内容説明
現代の君主は、個人ではありえない、それはひとつの集合的意志である―。イタリア共産党の指導者グラムシは、十数年にわたる獄男生活において、ヨーロッパの革命が挫折した原因を内省しつつ執筆活動をつづけた。その『獄中ノート』から、主として政治と近代国家の問題をあつかった最重要テクストを精選するとともに、その思想背景を知るための明快な訳注を付したものが本書である。組織された生産者社会において、人間が主体性を取り戻すことを展望する。いま読みなおすグラムシ思想の真髄。
目次
人間とはなにか
構造と上部構造―その歴史的ブロック
哲学・宗教・常識・政治
マキャヴェッリと現代の君主
自立した科学としての政治学
歴史的存在としてのマキャヴェッリ
マキャヴェッリとグィッチャルディーニ
マキャヴェッリ的政治教育の革命性
情勢または力関係の分析
「経済主義」の問題〔ほか〕
著者等紹介
グラムシ,アントニオ[グラムシ,アントニオ] [Gramsci,Antonio]
1891年、イタリアのサルデーニャ島生まれ。トリノ大学在学中に社会党入党。戦時総動員体制のうちに生産者自治社会の可能性を見て取り、1919年『オルディネ・ヌオーヴォ』紙を創刊。工場評議会運動を指導したのち、21年イタリア共産党の創立に参加。26年ムッソリーニ政権下で逮捕され、10年余りの獄中生活を強いられる。37年、釈放後に病死
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年生まれ。東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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