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ちくま学芸文庫
和算の歴史―その本質と発展

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090843
  • NDC分類 419.1
  • Cコード C0141

内容説明

関孝和の円理はニュートンの微分学に相当した?いや、和算はもうすでに顧みる必要などはない!和算のイメージが大きく分かれるのは、学問的にきちんとした入門書が少ないからである。タテ書きの文書を読み解き、内容を数学的に理解できる研究者は限られる。本書は、膨大な和算資料を博捜して斯界第一人者となった著者の力篇。なじみのうすい和算表現をわかりやすく書き直し、その特長と弱点を明らかにしつつ発展の歴史をたどった入門和算史。和算家の生活、地位、算法書の出版部数にまで話題はおよび興味深い。文庫オリジナルの索引は懇切で和算小事典としても使用可能。

目次

序説
毛利重能の『割算書』―誤った学説
吉田光由の『塵劫記』―『塵劫記』の性格
関孝和
円理の発見者・建部賢弘
松永良弼と久留島義太―吉宗、暦学を奨励す/良弼と義太の交遊
山路主住―循環小数の研究/『絵本工夫之錦』の出版
安島直円と藤田貞資―名人の名人/安島の対数表/幾何図形の研究
本多利明と会田安明―音羽先生/最上国の最上流/その後の最上流
日下誠と内田五観―日下門下の秀才
円理の完成者・和田寧
田中由真と鎌田俊清
諸流派
和算の性格
暦算書の出版

著者等紹介

平山諦[ヒラヤマアキラ]
1904‐1998年、千葉県生まれ。東北帝国大学数学科卒業。和算史研究家、理学博士。同大学の和算史研究の伝統を、林鶴一、藤原松三郎両教授に師事し引き継ぐ。長く同大学講師を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アメヲトコ

4
江戸時代から明治初年にかけての和算の歴史を解説した一冊。江戸時代の時点で円周率の詳細計算、微分積分などが時に西洋に先んじて独自の方法で(しかも関数・座標・角度の概念をもたなかったにもかかわらず!)編み出されていたことには驚かされます。しかしその高度さが専ら問題や公式の「美しさ」の追求に向けられ、理論化や応用化への志向性をもたなかったというあたりがまたいかにも日本人らしい。2016/08/26

壱萬弐仟縁

0
最近、新進気鋭の数学者と交流をもっており、そのレベルに一歩でも近づくべく、借りてきた本。関孝和の名前しか存じ上げない素人だが、中国の数学にも触れることができる。輸入学問の数学のようだが、日本の数学者にも流派があるというのは、伝統芸能の世界と似ており、驚かされた(pp.176-177)。2012/05/17

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