内容説明
古典力学はどこまで科学的か?ニュートン力学における絶対時間・絶対空間は認められるものか?マッハの根源的検証は、疑いようもないと見なされていたニュートン力学の批判であると同時に、感覚の分析を通して考察された反形而上学的認識論でもあった。物理学と心理・生理学を往き来しながら、マッハの思想は大きなうねりとなり、アインシュタインの相対論に道を拓き、ヴィトゲンシュタイン、ゲーデルなど後世の哲学者に影響を及ぼした。下巻は「諸原理の応用と力学の演繹的発展」「力学の形式的発展」「力学の他の知識領域への関係」を収録。訳者による相対性理論とマッハの関係の考察を付す。
目次
第3章 諸原理の応用と力学の演繹的発展(ニュートン的諸原理の射程;力学の計算式と尺度;運動量保存、重心保存、面積保存、の法則 ほか)
第4章 力学の形式的発展(等周問題;力学における神学的、物活論的、神秘主義的観点;解析力学 ほか)
第5章 力学の他の知識領域への関係(力学の物理学への関係;力学の整理学への関係;結語)
著者等紹介
マッハ,エルンスト[マッハ,エルンスト][Mach,Ernst]
1938‐1916。オーストリアのモラビア(現チェコ領)生まれ。ウィーン大学卒業後、プラハ大学で高速流体の実験研究や心理学で業績をあげ、その間、『感覚の分析』などを著した。物理学のほかに科学論・哲学にも広がる大きな影響を及ぼした
岩野秀明[イワノヒデアキ]
1940年生まれ。東京大学文学部でギリシア哲学・認識論を学び研究し、卒業後哲学・論理学等を講義。専攻、哲学。東京情報大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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