内容説明
近代神秘思想の母とみなされ、今も哲学思潮に侮れぬ影響を及ぼしているブラヴァツキー夫人。しかしその人柄が一般読者向けに紹介された書物はきわめて乏しい。本書は、二度目で最後のインド滞在の際、神智学協会の活動と並行して、先史インドに秘められた世界史の秘密を解き明かそうと意気ごむ夫人が、もちまえの利かん気と批判精神を発揮しながら、熱暑を冒してくり広げる幻想と驚嘆のヒンドスタン(北インド)探検記。廃墟や遺跡の謎に満ちた悠久の大地を巡る。とかく神秘思想の陰にかくれて実感しにくい夫人の人間像が、自身の筆によるロシア紙誌への寄稿をとおして、親しみやすく浮かび上がる稀有の紀行文。
目次
ボンベイ到着
ガーラープリ、別名エレファンタ
マラバールの丘
ヴァルケーシュワラ寺院
ボンベイ港
イギリス人の猜疑心
酔っぱらいのカラスたち
インドの特異性
アタナシウス・ニキチンの旅
ダヤーナンダ・サラスワティー師の人柄と著作〔ほか〕
著者等紹介
ブラヴァツキー,ヘレナ・ペトロヴナ[ブラヴァツキー,ヘレナペトロヴナ][Blavatsky,Helene Petrovna]
1831‐91年。ロシア生まれの神秘思想家。1875年古代インドの神秘思想をベースに、オルコットの協力をえてニューヨークに神智学協会を創立。神秘学の研究に科学的、哲学的な基礎を置くことに努め、欧米に東洋の宗教、哲学思想を流布。また世界を旅し古代史の解明に強い関心を示した
加藤大典[カトウダイスケ]
1933年生まれ。慶応大学文学部卒業。州立南フロリダ大学大学院留学(応用言語学)。保険会社勤務の後、翻訳に従事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 新ひとりで学べる地学1