内容説明
「根源」へのまなざしが、「ドイツ・バロック悲劇」という天窓を通して見る、存在と歴史の「星座(コンステラツイオーン)」―『ドイツ悲劇の根源』は、この「星座」のきわめて精緻な叙述である。バロックの言語形式との格闘のなかで、言語哲学と歴史哲学が、理念と現象が、ギリシア悲劇と近代悲劇が、英雄の神話的生と被造物の歴史的生が、メランコリカーとハムレットが、象徴とアレゴリーが、音声と文字が、神と悪魔(サタン)が、さまざまに火花を散らしながら出会う。哲学的批評の方法論、悲劇論、メランコリー論、アレゴリー論から成る1920年代のこの名著に、「運命と性格」、「暴力批判論」、「カルデロン・ヘッベル論」ほかの関連論考・資料を加えた、文庫版新訳。
目次
第2部 アレゴリーとバロック悲劇(擬古典主義における象徴とアレゴリー;ロマン主義における象徴とアレゴリー;近世アレゴリーの根源 ほか)
付 参考資料(『ドイツ悲劇の根源』の「序」;近代悲劇とギリシア悲劇;近代悲劇とギリシア悲劇における言語の意味;運命と性格 ほか)