内容説明
「現実」=「経験」を透明化、組織化し、論理として自己の判断を下すためには、どのような思考の方法が必要なのか。第1巻は人類文化の起原から説き起こし、芸術と技術、哲学の基本概念を語って、認識とは何かを解き明かす。思考の自立への指針となる、フランス高等学校哲学科の代表的教科書。
目次
第1章 人類文化―芸術、技術、科学、宗教
第2章 哲学への導き
第3章 意識とその諸段階
第4章 経験的認識
第5章 論理的で、理性的な認識
第6章 思考と言語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
15
【要旨】哲学の基本概念を用いて認識とは何かを解き明かす。1巻目。【感想】フランスの高校の教科書。自分で経験から判断を下すためにも過程の端緒である認識から始まる。 翻訳で教師の不在とはいえ難解なうえに途中で間隔が空いたためにほとんど理解できていない。本書の構成自体が定義、議論、説、説への疑義、引用、結論というフランスで求められる論述試験の形式になっているのに驚いた。 2017/07/27
amanon
3
フランスの高校生はこんな難解な物を読まされるんだ…ということに改めて驚かされる。翻訳の問題もあるから、ネイティブが原書を読むときに感じる難解さと同列に語れるものでもないだろうけれど、それでもやはり日本との知的レベルのギャップを痛感させられる。それなりに哲学的素養がある者でも、本書を読了するのはかなりしんどかった。特に心理学の理論や用語が頻出するあたりは正直苦痛。一見して平明な文章なのだけれど、その言わんとすることを理解するために今一歩踏みとどまって理解に努めるということを幾度となく強いられた。2013/07/24
Fumoh
2
哲学概論とも呼ぶべき本でしょうか。かつて論じられてきたさまざまな哲学的諸問題について、なるべく平易な言葉で、著者の見解も混ぜながら(あくまで一般的な見地として)概説していく本です。平易とはいっても、立ち入ってくると難解さは増してきますが、じっくり読めば理解できるような内容になっていて、現代思想などをかじろうとするより、こちらを読んでおけば哲学のあらましが理解できるようになっています。「哲学とは知識ではない」と初めのほうで述べておりまして、どちらかと言えば思考方法、問題解決法のようなものであります。2023/10/13
-
- 和書
- 水の恵みと生命文明
-
- 電子書籍
- 白 -HAKU- 麻雀に懸ける青春 (…