内容説明
異文化間には本当の意味での理解がありえるのだろうか?1960年以降、第二次大戦の戦勝国人として日本にやってきて十年以上も暮らし続けた著者が、ある日、手にとった『菊と刀』。異国から母国をみつめる自らの体験に照らし合わせながら、詩人であり「文化の型」という概念を生み出した文化人類学者ルース・ベネディクトの思索の軌跡をたどり、アメリカ人からみた『菊と刀』の問題を浮き彫りにする。ベネディクトの日本理解を通して、異文化理解、国際連帯について考察する秀逸な日米比較文化論。
目次
1 国境(旅について;海の向こうの日本;基地生活―オキナワ’60)
2 日本文化への墓碑銘―ルース・ベネディクト再考(出合い;死の世界の美;政治教育としての文化人類学;『菊と刀』批判)
3 内なる外国(外国―たとえばアメリカ;文化の行方)
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- 和書
- 恐怖箱憑依 竹書房文庫