内容説明
本当にあった怖い話、誰かが体験した不気味な話。実話に拘る怪談作家3人がこれは怖すぎる!と震えあがった逸話ばかりを集めた聞き書き怪談集。背筋が寒くなる実話21本!
著者等紹介
鈴堂雲雀[リンドウヒバリ]
北の怪談狩人。実話でありながらドラマ性の高い逸話を拾ってくる鬼才。北海道出身
三雲央[ミクモヒロシ]
2010年、突如現れた怪談テロリスト。東京都出身
高田公太[タカダコウタ]
恐山のお膝元、本州最果ての怪談テラー。地元で怪談イベントなども主催する実力派で、郷土の忌み話から若者の間の噂まで守備範囲は広い。青森県出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
175
竹書房怪談実話の3人の競演では全員が良い出来というのは意外に少なくて一人だけが突出して素晴らしいというパターンが多く本書では半分以上の13編を書かれている鈴堂雲雀さんが質量共に断トツ抜群文句なしのずば抜けた出来栄えでしたね。『繋がる先は』志田さんは一週間程前から体調を崩していた。大学を出て今の会社に入社以来、休日返上で働いて来た疲れが出たのか今が踏ん張り所の大事な5月半ば上司の叱責を恐れ休めない彼はまあ明日は休みだしと帰宅後すぐに布団に潜り込む。翌日の夕刻に目覚めた彼は部屋に黒い靄が漂っているのに気づく。2021/03/27
HANA
52
実話怪談集。最初の方の話で霊が殴りかかってきたり、教会の聖水で霊が祓えたりする話はホントもう読んでいてどうしようかと思った。怪談にあって欲しい「嫌」感溢れる話も「簒奪」や「♪なぁったげな~、なったげな」、を始め結構あって、そちらはそちらで楽しめたんだけど、やはりその二つがインパクト強すぎて何とも言えず。それでも恐怖箱シリーズの中では嫌な話が多くて楽しめる方だと思った。玉石混淆の実話怪談の中では当たりなのかなあ。あと表紙、帯かと思ったら直接印刷してるんですね。これは微妙な感じがするけど経費削減なんだろうか。2015/09/07
ラルル
30
なかなか良かったです。身内話が多かったような。「待っている」は何とも言えない独特の話で良いですね。「寄り添う」は母の愛と父の努力。子育てってこの2つなんだろうなぁ2016/06/09
ネムコ
23
グレードの高いお話が多かった。特に『兆し』は白眉。昔から家にある脇差しが、ある夜話者の寝室の真ん中に突き立っていた。定位置の床の間に戻した脇差しが、次の夜も話者のより近くに突き立っているのが発見される。菩提寺の僧侶に頼んでも駄目で、脇差しはとうとう話者の枕のすぐ脇に突き立った。父親は有給を取って母親と共に骨董屋に刀を売りに行き…事故に遭って二人とも帰らぬ人となった。その後も話者の周りで災いは連鎖する。標的は話者なのに周囲に被害が伝播してゆくのがすごく嫌。【日本の夏は、やっぱり怪談】参加中2022/07/02
澤水月
23
いいと思ったのほとんど鈴堂雲雀さん。優しい気持ち、怖くかなしいのに抒情性の滋味豊か…偶々今世を騒がせる若者の問題も垣間見せ。スーパームーンの夜には面白く。しかし他の方も全体にいい、面白くて一気に読め今回粒揃いな気がする。女性作家の1冊が進まなくて悩ましかったので…!2015/08/31