ちくま新書<br> 宮台式人類学―前提を遡る思考

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宮台式人類学―前提を遡る思考

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  • サイズ 新書判/ページ数 496p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480077356
  • NDC分類 389
  • Cコード C0230

出版社内容情報

社会学から人類学へ。

異端の社会学者と気鋭の文化人類学者が

「人類学的視座」の可能性を拓き、

社会学が忘却したものを抉剔する!



19世紀に誕生し、デュルケム、ヴェーバー、ジンメルという3人の天才によって基礎が作られた社会学。それより少し後に誕生した人類学。両者は多くの理論を共通して持ち、互いに参照する形で発展していった。しかし、人類学が「存在論的転回」を成し遂げる一方で、「前提の前提を問う思考=生態学的思考」を失った社会学は頽落していく。人類学者・奥野克巳を相手に、人類学に接近しつつある宮台思想の全貌が縦横無尽に語られる。社会学が失った思考を問い直す一冊。



◎本書より抜粋

宮台 (…)人類学者は、社会学者が見出した近代のヘンチクリンさを踏まえて人類学的普遍を見た。社会学者は、人類学者が見出した人類学的普遍を踏まえて近代を見た。そのことこそ僕が言い募ってきた「社会学と人類学の等根源性」です。


【目次】

Ⅰ 「等根源」であった社会学と人類学

第1講 社会学と人類学のオリジネータたちの時代

第2講 交差する社会学と人類学

第3講 アメリカ社会学が忘却した「前提」への問い

第4講 原的贈与を忘失した近代ヨーロッパ



Ⅱ 生態学的思考へ回帰する人類学的存在論

第5講 宮台思想の前提にある人類学的視座

第6講 前提を探る思考から宮台式存在論へ

第7講 認識論を超えて前提を問う存在論的思考



Ⅲ 人類史の根本まで遡ると見えてくる〈世界〉

第8講 社会の誕生から劣化まで

第9講 法生活の開始と没人格化の進行

第10講 古代ギリシア思想でとらえる社会と自然

第11講 これからの平等と自由を考える

内容説明

19世紀に誕生し、デュルケム、ヴェーバー、ジンメルという3人の天才によって基礎が作られた社会学。それより少し後に誕生した人類学。両者は多くの理論を共通して持ち、互いに参照する形で発展していった。しかし、人類学が「存在論的転回」を成し遂げる一方で、「前提の前提を問う思考=生態学的思考」を失った社会学は頽落していく。人類学者・奥野克巳を相手に、人類学に接近しつつある宮台思想の全貌が縦横無尽に語られる。社会学が失った思考を問い直す一冊。

目次

序論
1 「等根源」であった社会学と人類学(社会学と人類学のオリジネータたちの時代;交差する社会学と人類学;アメリカ社会学が忘却した「前提」への問い;原的贈与を忘失した近代ヨーロッパ)
2 生態学的思考へ回帰する人類学的存在論(宮台思想の前提にある人類学的視座;前提を探る思考から宮台式存在論へ;認識論を超えて前提を問う存在論的思考)
3 人類史の根本まで遡ると見えてくる〈世界〉(社会の誕生から劣化まで;法生活の開始と没人格化の進行;古代ギリシア思考でとらえる社会と自然;これからの平等と自由を考える)

著者等紹介

宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年宮城県生まれ。社会学者。東京都立大学元教授。東京大学文学部卒(社会学専攻)。同大学院社会学研究科博士課程満期退学。1990年、数理社会学の著作『権力の予期理論』で社会学博士学位取得。権力論・国家論・宗教論・性愛論・犯罪論・教育論・外交論・文化論で論壇を牽引する

奥野克巳[オクノカツミ]
1962年滋賀県生まれ。人類学者。立教大学異文化コミュニケーション学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。2006年より、ボルネオ島の狩猟民プナンのフィールドワークを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

酩酊石打刑

12
本書では「前提を遡る思考」が様々に重ねられる。社会学、人類学、哲学はもとより量子力学、ヒトの起源にまで及び、様々な事象が宮台の頭の中に一本の線として繋がっていく。上海生まれの彼の母親までもが紐づけされてしまうと、彼の思考の正当性を躍起になって語っているように感じた。頓馬だ感情の劣化だとの物言いは〈あとがき〉で語っていた「本当の僕を見て」といった構ってちゃんと変わらない気がする。とはいえ宮台という触媒を通して語られる〈世界〉の像は、チャート式めいて現在を読み解くには重宝している。2026/06/08

まゆまゆ

12
発祥がともに約300年前の近代である社会学と人類学について、宮台教授の語りを奥野教授がフォローしていく対談本。もともと社会の内側に向かった社会学と外部に目を向けて出ていった人類学は当根源的な学問だったが…行為よりも体験、法よりも掟(共同体的責務感)、不信ベースよりも信頼ベースだった社会は80年代を境に反転していて、もはやどうしようもない、のだろうか……2026/05/27

武井 康則

12
宮台が社会学から人類学へ鞍替えしたわけを語る。フランス革命は理念が正統だったにも拘らず、長い混迷があった理由を探ろうと19世紀中ごろコントが立ち上げ、20世紀初頭にデュルケム・ヴェーバー・ジンメルが成果を上げる。一方1840年頃には産業革命が終り、人々の生活形式は大きく変わっている。その分析として人類学が現れる。フィールドワークという手法でマリノフスキーが有名。社会学の手法として三人が分析されるが共通するのはその再帰性。今の社会になるための条件と、ならは他にもなったであろう形を考える「存在論」。→2026/04/07

Kooheysan

8
<社会>とは何か。認識論化した社会学ではなく、存在論的な生態学的思考=網目状の前提付け連鎖を追っていくところからスタートする宮台社会学を学んでいきます。わからないところもそれなりに多数ありますが、大切なところはパラフレーズで何度か説明があったり、要点はそこそこ明確だったりします。そして、第Ⅲ部ではそれまでの論考を基にして、人類史ベースで<世界>と<社会>の見取り図が示されますが、ここがもっとも勉強になります。好きなものしか見ないリベラルの頓馬っぷり、とか言われるとなるほど確かに…。2026/04/05

Alekhine

7
だいぶ長い本でした。頓馬という言葉が繰り返し使われていたり、社会の劣化を皆が知るためにトランプの2016年の当選を心から願っていたと書かれている過激な本でした。過激ではありますが、宮台氏はあえてそういうスタイルを貫いているのかもしれません。そういう書き方の方が色々と考えさせられる気すらします。 精神医学とか社会心理学とかを自然と学んでみたくなりました。2026/06/09

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