出版社内容情報
1985年の日本一から2003年のリーグ優勝まで、二度の暗黒時代を阪神タイガースはいかに乗り越えてきたか。栄光と挫折の歴史を、事実に基づき再構成する。
内容説明
バース・掛布・岡田・真弓で空前のブームを巻き起こし、日本一に輝いた一九八五年。だがその後の道は多難だった。「ダメ虎」の強烈な印象を残した一九八〇年代末の暗黒期、終盤までヤクルトとの死闘を演じた一九九二年の一瞬の輝きを経て、再び長い九〇年代後半暗黒時代へ。そして野村監督時代という夜明け前を経て、突然やってきた二〇〇三年の星野阪神の栄光。とかく印象論で語られがちな人気チームの歴史を、記録と報道された事実をベースにして再構成する。ファン必携の「正史」。
目次
1 奇跡の一年―一九八五年
2 暗黒への転落
3 一瞬の輝き―一九九二年
4 闇の中
5 夜明け前
6 復興
著者等紹介
中川右介[ナカガワユウスケ]
1960年東京都生まれ。作家、編集者。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立。現在はフリーで編集に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ma-bo
63
1985年日本一の年から、2003年18年振りに優勝するまでのタイガースをまとめた本。様々な文献から拾い上げた事実を淡々と書き連ねている。その間Aクラス2回だけのいわゆる暗黒時代。巻頭の、何も好き好んで悪い時代を書かなくてもいいのにと思う。しかしこの球団には「黄金時代」とか「全盛期」というものがない。という記述に納得。何年もとは言わないが、過去に一度も無い連覇をして黄金時代と振り替えれる時代が来る事がささやかな願いだ。【2023年11月13日追記】18年振りに優勝(アレ)38年振りに日本一(アレのアレ)↓2019/11/16
terve
32
懐かしい。物心ついたから阪神ファンでしたが、阪神は暗黒時代の真っ只中でした。一番は久万オーナーが口を出しすぎたせいでしょうね。まぁ分かってはいましたが。あとはタニマチとかOBとか、周囲の圧力も強いんでしょう。体質は今でも何一つ変わっていないんじゃないかな。ただ、最近は万年二位の感覚ですが、たった一回の最下位に騒ぎすぎだと思います。負けることが当たり前のあの時代に比べれば…。願わくば生きている間に、一回は日本一を見届けたいですね。2019/10/23
hatayan
29
1985年から2003年までの阪神タイガースは最下位が指定席の「暗黒時代」。輝きを放ったのはバース、掛布、岡田らの強打者が活躍した1985年、若虎の亀山、新庄がチームを引っ張った1992年、星野仙一監督の闘志がチームに火を点けた2003年。強かった年には複数の章を割き、阪神ファンであれば覚えている場面を緻密なデータをもとに高い精度で再現。阪神ファンにはたまらない一冊になっています。 低迷の原因は一貫性のないオーナーやフロントの言動や、非情になりきれなかった監督のマネジメント能力にあったと総括します。2019/10/18
スプリント
16
1985年の栄光の優勝から一転して長く続く暗黒時代。監督の交代劇や主力選手の放出など阪神タイガースの苦難の歴史を追うことができます。暗黒時代は本塁打数が二桁と長打力にかけていることがわかります。2020/01/30
さとうしん
16
年代でわかる通り、阪神タイガースの暗黒時代史である。当時の吉田監督が「今年はチーム作りの年」と割り切っていたはずの就任1年目に日本一になってしまったのが悪かったのか、以後18年もの紙幅を強いられる。1992年には惜しくも優勝を逃すが、その92年組が1人として2003年の優勝を迎えられなかったという点がチームの限界を示しているようである。全編を通して監督人事などの球団・親会社側の対応の酷さが印象に残る。2019/12/06