内容説明
日本列島は2011年にマグニチュード9の巨大地震に見舞われて以来、千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。4枚のプレートがひしめく日本で生き延びるには、地学の知識が不可欠だ。本書は、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら、地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、「壮大」かつ「実用的な」地学のエッセンスを、京大人気No.1教授の「科学の伝道師」が解説する。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門!
目次
第1章 地球とは何か
第2章 地球は生きている!―その活動をさぐる
第3章 地球の歴史を繙く
第4章 日本列島の成り立ち
第5章 動く大気・動く海洋の構造
第6章 宇宙とは何か
著者等紹介
鎌田浩毅[カマタヒロキ]
1955年、東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省地質調査所を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学教育。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
56
読書論でシンパシーを勝手に感じている鎌田先生の本を図書館で見つけて。我々は何処から来て、我々は何者で、我々は何処へ行くのか?ゴーギャンの言葉を後書きで引いてあるが、それを紐解くのが地学であると言う。地球の磁場の力や3.11による日本列島の移動、2030〜2040年に起きるという地震、降り注ぐ太陽光が実際どういう分別をされて地球が存在しているか等、面白かった完全文系人間である。先生はもっと我が国は地学教育をすべきと説く。確かに我が国について知る教養として必要だろうと思ったのであった。2019/12/08
ころこ
38
センター試験の問題を解きながら地学を一から学べる本。問題が半分くらいを占めているが、知識が無いと上手く解けずに読み飛ばすことになる。地学が理科の科目だということも知らなかったので、問題はほぼスルーした。前半は考古学的や地震学のようだが、単に地球を調べる学問ではない。後半の大気のように、物理の暗黙の前提となっている条件の内、地球による制約条件は何かということを考察することで、最終章の宇宙物理学などへの足掛かりとなる。2023/04/06
KEI
34
地震や地球温暖化から、地球の成り立ちや宇宙の成り立ちまで、大学入試問題を解きながら学んでいく内容。問題はほぼわからなかったが、あまり考えたことがないテーマだったので、いい本だった。災害の多い日本に住む私たちには必要な知識かなと思いました。2021/11/15
まえぞう
23
大学受験は地学を選択したので、おおよそのところは既知でした。著者は暗記の学問ではないと述べられていますが、系統だったところは物理なんかより少なくて、覚えることがたくさんあります。センター試験の問題を枕に話を進めているところは、この手の新書としては新鮮でした。2019/12/21
月讀命
18
2011年あの大地震が来てから9年が経過しようとしている。今でもガタガタ揺れることが多い。そして30年以内に、あの様な大きな地震が来る確率は70パーセントなどと報道されている。日本に住んでいる限り、避けられないのが実態である。我々が生き延びる為には、我々の住んでいる地球についてよく知る必要がある。全ては、我々の命あってのモノダネ、地球あってのモノダネであるので、地球自体を深く理解する必要があろう。そうすれば、生き残れる確率も上がるのではないかな・・。(持論、我々人間も地球の一部であると意識したい) 2020/01/08