出版社内容情報
米国政治はどのように動いているのか。その力学を歴史・制度・文化から解説。アメリカン・デモクラシーの考え方がわかる決定版入門書。
西山 隆行[ニシヤマ タカユキ]
著・文・その他
内容説明
アメリカの時事問題の情報はますます増えているが、政治や社会の基本的な特徴や事実を踏まえていない論評も多く見られる。そこで、アメリカ政治を初学者にもわかりやすい形で、特定の視角や事例のみに依拠することなく、歴史、制度、文化、国際比較などの多様な視点から多角的に考察。長期的なアメリカの民主政治の考え方を重点的に解説する。さらに、単に政治過程について説明するだけではなく、デモクラシー論における規範的評価をも交えた、アメリカ政治入門書の決定版。
目次
第1章 アメリカの民主政治
第2章 大統領と連邦議会
第3章 連邦制がもたらす影響
第4章 二大政党とイデオロギー
第5章 世論とメディア
第6章 移民・人種・白人性
第7章 税金と社会福祉政策
第8章 文化戦争の諸相
著者等紹介
西山隆行[ニシヤマタカユキ]
1975年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。甲南大学法学部教授を経て、成蹊大学法学部教授。専門は比較政治・アメリカ政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
63
アメリカの政治や社会に関する入門書・概説書としては最適。その反面やや深さに欠ける印象。筆者が、彼の教室のゼミ生たちと論議をしながら作った書物です。平易でわかりやすいため教養課程的な科目の教科書に適しているかもしれません。トランプ大統領まで描かれています。我が国と違うアメリカ政治特有の問題もあれば、同世代の日本の政治と共通する部分もある。インターネット・SNSの普及につれて、中庸層がなくなって右へ左への社会の分断が広がっているのは日本と同じだと思う。2018/09/24
skunk_c
28
学生の疑問に答えるような形で書かれたそうで、とても平易にアメリカの政治制度や、2大政党の特色、様々な政治的課題を解説。自らの研究成果を社会にフィードバックしたいとの思いから書かれたそうで、著者自身の評価は極力抑え、事実と現状の見取り図をフラットに解説している。まさにアカデミズムからのアメリカ政治概論で、しかもカチカチの体系はとっていないので読みやすい。特にトランプ登場以降、ジャーナリスティックなアメリカ論が多い中、基礎的な知識の再確認には最適だと思った。個人的にはもう少し著者の立場が出た方が面白いのだが。2019/01/25
おかむら
25
アメリカの選挙や政府や政党や議会の仕組みをそもそもから教えてくれる。優しい「ですます」調で初心者向けなのでありがたい。最近のニュースでも、政府機関が閉鎖とか、予算が議会を通っても大統領がオッケーしないで(非常事態宣言?)とか、トランプと共和党って安倍と自民党の関係とだいぶ違うの?と色々疑問に思う点をわかりやすく説明してあり助かるわー。ニュースだけでなくアメリカのドラマや映画を見るときの参考になります。アメリカって住民票が無いって初めて知ったわ!あと官僚が威張ってない!2019/03/01
hk
18
「都市部では人口密度が高く、銃事件は大惨事になりがちなため銃規制推進派が強い。一方で地方部では人口密度が低く、逆に銃を持っていないと身を守れないため銃規制反対派が強い」といった塩梅でアメリカ政治の予備知識を解説している。 アメリカにまつわる時事ネタだけを目にしても、その水面下にある歴史的経緯・政治制度の特殊性を知っていなければ表層的な理解すらおぼつかない。…と偉そうに書いているワタシもなんとなく惰性で解った気になっていることが多々ある。本書はそんな一知半解な人々が予備知識を充当するのに適した良書だろう。2018/07/16
あんころもち
17
アメリカ政治を語る上で、新聞を読んでいるだけでは分かりづらい、けれども重要な部分をバランスよく解説してくれる良書。巻末の参考文献は「アメリカ」を語る本が跋扈する中で、次に何を読むべきかを的確に示してくれる。新書で値段もページ数もお手頃なので、私にとっても気楽に他の人に勧められる優れた入門書であると言える。とりあえず買い。2018/06/25