内容説明
『学問のすすめ』『文明論之概略』などを著し、慶應義塾の創設にも力を尽くした近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉。その自伝のエッセンスが詰まった箇所を選出し現代語訳。激動の時代を痛快に、さわやかに生きた著者の破天荒なエピソードが収められた本書は、近代日本が生み出した最良の読み物のひとつであり、現代日本人が生きる上で最高のヒントを与えてくれるだろう。
目次
幼少時代
長崎遊学
大阪修業
緒方の塾風
大阪から江戸へ
初めてアメリカに渡る
ヨーロッパ各国に行く
明治維新のころ
暗殺の心配と様々な試み
金銭について
品行と家庭、そして老後
著者等紹介
福澤諭吉[フクザワユキチ]
1835(天保5)年~1901(明治34)年。著述家、教育者。「時事新報」発行人。近代日本最大の啓蒙思想家。慶應義塾の創設に力を尽くした
齋藤孝[サイトウタカシ]
1960(昭和35)年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は、教育学、身体論、コミュニケーション技法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月讀命
82
慶應義塾大学の卒業生ではないけれど、また慶応義塾大学を受験のため門を潛ったことさえない私だが、福澤諭吉先生は尊敬している人の一人である。福翁自伝の原文は文語調なので現代人には読みにくいが、斎藤孝先生の口語訳(超訳)は心に響く。明治維新の頃、日本国の発展のため、欧米列強に負けない国家形成のためには、国民の教育は必要条件であり、世の中で役に立つを実学を推進し、近代日本の発展に寄与した第一人者の自伝であるので重みがある。さすがもう20余年間、壱万円札の図柄として、日本の顔になってきた人物の著作であろう。2011/07/10
き
49
福澤諭吉の生き様や大切にしていたことなどがざっくばらんに描かれていて面白い。他の著書も読んでみたいと思った。2021/12/15
きみたけ
43
福沢諭吉の自伝。齋藤孝先生による現代語訳。少年時代、長崎修業時代、緒方洪庵塾時代、三度の洋行、維新時代について描かれています。福沢諭吉と言えば、慶應義塾の創設者でとてもまじめなイメージでしたが、物心ついた時から大の酒好きだとか、勝手に友人の位牌を作る(現代ならいじめでは?)、友人に鯛と嘘ついて河豚を食わせるなど、相当のイタズラ好きだったようで180度イメージが変わりました😅 咸臨丸でアメリカへ渡航し、新しい文明に触れた際の驚きの連続だったことがひしひしと伝わり、とても面白かったです。2021/02/10
十川×三(とがわばつぞう)
32
面白い。現代訳で読みやすい。諭吉は我が道をいく。江戸・明治の社会の空気が伝わる。▼渡米、渡欧で当時の日本との違いが興味深い。▼平易な通俗文で書かれた「学問のすすめ」は340万部売れ、当時の国民の10人に1人が読んだ。現代なら1,270万部発行。バケモノだ。▼大阪・玉江橋の中津藩邸跡・諭吉誕生の地は訪れた事がある。私は諭吉好き。2022/09/24
nowhereman
27
みんな大好き福澤諭吉の自伝。原文では読了できそうになかったので、とりあえず齋藤孝さんのお力を借りて読了。正直、慶應義塾を創設された以外の功績は殆ど知らなかった。ものすごく堅苦しい人物をイメージしていたが、好奇心旺盛でユーモアがあり、破天荒で芯が強い人物だった。特に、幼少期から青年期の数々の悪戯のエピソードには、声を出して笑ってしまった。後半の省略された部分が気になったので、原文にチャレンジしたい。2015/12/07