出版社内容情報
東京メトロと都営地下鉄は一元化できる! 利用者本位の改革に立ち上がった東京都副知事に、既得権益の壁が立ちはだかる。抵抗する国や東京メトロとの戦いの記録。
内容説明
東京の地下鉄利用者に長年にわたり不便を強いてきた二重の運賃体系や駅の壁―これらの問題を解消するには東京メトロと都営地下鉄を経営統合するしかない。だが東京メトロは都営を置き去りにしたままでの完全民営化を狙い、国は利用者本位の交通政策よりもメトロ株式上場による売却益ばかりを考えている。真の受益者たるべき利用者のため、東京都副知事が地下鉄改革に向けて立ち上がった。地下鉄一元化に抵抗する東京メトロ・国土交通省との戦いを描く渾身のドキュメント。
目次
第1章 九段下駅ホームの壁
第2章 株主総会へ乗り込む
第3章 バリアフリーより不動産ビジネス
第4章 新橋駅「幻のホーム」
第5章 私鉄経営と地下鉄経営の違い
第6章 欲望による一元化の挫折
第7章 利用者のための公共性
終章 勝鬨橋の向こうへ
著者等紹介
猪瀬直樹[イノセナオキ]
1946年長野県生まれ。作家。87年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『日本国の研究』以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年小泉首相より道路公団民営化推進委員に任命される。07年より地方分権改革推進委員(~10年)、東京都副知事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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mitei
293
東京都民ではないので余り知らなかったが、都営地下鉄とメトロの関係ってそうなのかと勉強になった。それで九段下とか観光で行ったらやたら乗り換え不便だったのかと知った。また東京行くときに見てみたい。2019/01/14
あちゃくん
32
地下鉄は誰のものか?その答えが【利用者】だとしたら、ぜひとも一元化はされるべきだろう。これからは都市間競争の時代だしね。東京が世界の都市と戦っていくには、現状の体制は足かせでしかない、この本を読むとそんな気がしてきました。この本では、地下鉄のこれまでの歴史や、私鉄経営と地下鉄経営のビジネスモデルの違いなどに触れられていて、東京の地下鉄の抱えている問題を総合的に把握することができます。一元化に対して抵抗している勢力があるとしたら、それは表題の質問に対して、【利用者】以外の答えを答える人たちなんだろうな、たぶ2013/04/21
まあさん
7
猪瀬氏の力説、地下鉄の一元化の必要性がずらっと書いてある‥そんな感じでした。九段下駅は都営線の駅と東京メトロの駅が壁一枚で仕切られるのみ‥なのに、階段登って一回改札出なきゃいけないだとか、なるほど不便もあるんだなあと‥。“地下鉄王“早川徳次氏と“強盗?”五島慶太氏の地下鉄権益を巡る衝突‥幻の新橋駅面白く読みました‥ただ、「地下鉄は誰のものか」から離れちゃったかな。地下鉄一元化は猪瀬氏が都知事の時までは前進したのかもしれませんが、最近はあんまり‥なんですかね、、まあまあ面白かったかなあ。2019/02/20
太田青磁
7
乗車率200%を誇る東西線ユーザーとしても、都営地下鉄と自由に乗り換えができれば、かなり便利になるはずだと、ずっと思っていました。大江戸線を使えばショートカットできる経路はたくさんある気がします。九段下で、半蔵門線と都営新宿線でホームが異常に狭いのも、降りたとき左右が混乱してしまうのも納得できました。しかし、利権とは恐ろしいものですね。都営地下鉄にお荷物のようなイメージを植え付け、営団だけ明るいイメチェンしても、裏では天下りの巣窟になっているとは。まさに、TOKYO WONDERGROUND!と感じる内容2011/06/14
たか
6
元都知事の著書ですね。九段下の例の壁や閉鎖された新橋駅、その他東京の地下鉄についてあれこれ書いてありました。2020/02/26