内容説明
「倫理学」は「何が正しいのか」を問うてきた。しかし、真の問題は、「正しい」と信じたことを行動に移せない、われわれ現代人のダメっぷりの方にある。本書では、精神分析から幕末の志士、現代思想から禅に至る倫理的豪傑たちの言葉と行動を通して、もう一度あの「覇気」と「道徳」を引き受けなおす。倫理は学ぶものではない。実現するものだ。「俺の注釈」付き。
目次
1 われら衆生
2 収奪される生命
3 近代の世知辛さについて
4 神話的暴力トラップ
5 決断の可能性について
6 完全なる人間
7 欲望の終わりに向けて
8 われら幕末の人間
著者等紹介
石川忠司[イシカワタダシ]
1963年東京生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒。1989年に「修行者の言語―中原中也試論」で群像新人文学賞優秀賞受賞。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
60
二章ぐらいまでしか読んでないがこれは買うことにする。衆生とは大衆であり、下司な普通のわれわれ近代人のことだ。「倫理学」は何が正しいのかを古来から論じてきたが、われわれがその通りに自分が正しいことを選んで実行できない理由は何だろうという問いかけを著者は放つ。個人的にいろいろ思うところがある。2017/07/02
しょ~や
1
参考文献を確認しながら再読。後半の心理学や神秘主義との関連における倫理の話は興味がある。しかし、衆生こそが倫理を達成しているとすると、下手に倫理に悩んで本を手に取った私は倫理面において衆生に劣っていることにならないか。次は参考文献を読もう。2015/09/07
左脳
1
そうそう。だって、もう生きちゃってんだから。こんな感じで。2008/12/24
しょ~や
0
倫理というものがどういうものか自分の中で納得していないが、この内容は非常に面白い。参考文献も読んでもう少し深めていきたいところだ。2015/08/25
hiratax
0
(20080513)石川忠司が寡作なのは、尋常じゃなく筆が遅いゆえ、のよう。この頃はまだバイトもしてたよう。本書でニコラペッターモルベルの名前を知った。2008/05/13
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