ちくま文庫<br> 短篇集 妖精族のむすめ

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ちくま文庫
短篇集 妖精族のむすめ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 370p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480021519
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ダンセイニの幻想小説が描き出す世界は、永遠が瞬時よりはかなく過ぎ去り、神々が野獣に変身し、瀕死の魂が神秘というオアシスを求めてさまよい、繁栄をきわめた都市は突然発狂する。華麗で倦怠感に充ちた虹色の幻想世界へと誘う、短篇小説20余編を収める。S・H・シームの神秘的な挿画を付す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

65
拓也さんのおすすめ本。幻想的光景がかいま見える作品の数々:『妖精族のむすめ』『ケンタウロスの花嫁』『エメラルドの袋』など。荒俣さんの解説ではケルト的想像力と呼ばれる自然発生的な神秘的世界観から生まれた味わいがあると…。2017/10/23

拓也 ◆mOrYeBoQbw

10
幻想短篇集。前半は『妖精族のむすめ』『ヴェレランの剣』と傑作幻想譚を、後半は『五十一話集』という、ポー、カフカ、ボルヘスにも通ずる短篇拾遺集。異世界や英雄譚を描きながらも、何処かリアリティを感じさせる物語が多く、パラドックスやブラックユーモアも人の本質を捉えて、何度も読み返したくなる一冊です。(追記)ボルヘスがエッセイ『続・審問』で「カフカよりカフカらしい」と評した『カルカッソンヌ』も収録、そういう系譜にも連なる短編集です(・ω・)ノシ2015/07/20

すみれ

9
虹色の数多の糸を操るような言葉で、風美幻麗な世界へと誘う。綾なす調べと淡々とした展開への語りの絶妙さにため息が出る。夢見た願い、焦がれた高貴、滾る欲望・勲へと、ありとあらゆる知恵や勇気や良き力悪しき力を携えての希求の旅は、叶ったものもあるけれど、むしろ呆気なく冷たく倒れる、崩れる、朽ちる、静かな夕暮れの中で、下界からの門を追い出されて、死を飲み込む豊穣な海の中で。妖精族やケンタウロス、ギベリン族などの登場するアイルランドの異世界を漂ったというのに、「夏草やつわものどもが夢の跡」とひとりごつ。2019/01/31

刳森伸一

4
ダンセイニの傑作短編集。たった一言で全てに決着を付けるかのような硬質で無駄のない文章でありながら、詩的なイマジネーションに満ちた不思議な文体と物語。基調は暗いのに、なぜか絶望には至らない。どの作品も素晴らしいと思うけど、個人的には『海を望む峰ポルターニイズ』と『ヴェレランの剣』がベストだった。2014/07/14

4
ほんの時々ときめかされるフレーズに触れるけど、あまり幻想性を感じなかった。言い回しとか例えがクドイのは元の文が他言語のせいかもしれないけど、どうも普通のファンタジーだなぁとしか思えなかった。もしくはダンセイニがスタンダードを作ったのか。または時代を加味しないと凄さが判らないのかもしれない。あ、でも足穂が影響受けてるのがすごい感じられて興味深かったな。2013/03/01

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