ちくま文庫<br> ギリシア喜劇〈2〉アリストパネス 下

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ちくま文庫
ギリシア喜劇〈2〉アリストパネス 下

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  • サイズ 文庫判/ページ数 613,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480020628
  • NDC分類 991

内容説明

ギリシア喜劇全2巻完結。アリストパネス全作品を収録。「鳥」「蛙」ほか4篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

12
予想以上に酷かった。放送禁止用語どころじゃない下劣の極みを尽くしてねじ込む細部のネタも人類には1000年くらい早過ぎるけど、戦争にうんざりした女達が夜の営みを拒否して引き換えに平和を要求し「頼む頼む頼む我慢できん」と男達を苦悶させる話や女性が社会的主導権を簒奪するユートピアSFなど、テーマ性があまりに先進的。女性の社会性を現代で肯定的に評価する側からも否定的に見る側からもいまだ検討の価値アリ。劇作家の権威や神々に対してすら激しい皮肉と低俗化の手を緩めないアリストファネスの、凄いような腐り切ったような性根。2019/05/30

tieckP(ティークP)

4
年代順なので、落着きとともに円熟味を増すアリストパネスの作風の変化が分かる。目立ちたがりで場当たり的だったのが、普遍性を備えていく。解説の高津氏はある目的のための痛烈な風刺がお好みのようだが、僕は喜劇のための喜劇、自立したところで笑いを生む喜劇が好きなので、「福の神」は良い作品だと思う。それと別に、「女だけの祭」や「蛙」はエウリピデスやアイスキュロスを題材にしていて、実作者による批評という点で読んでいて面白い。同時代が対象という点で、アテナイのことを知りたければ悲劇より喜劇を読むべきというのもよく分かる。2018/01/20

ヴィクトリー

1
「鳥」「女の議会」はプロットが素晴らしい。ハッピーエンド(と言うか乱痴気騒ぎ)で終るのは当時の形式らしいけど、こういう一種のユートピアが壊れていく辺りまで描けば現代でも通用しそうな…。特に後者は女性優位の共産社会を扱っていて、これが紀元前400年頃の話だと言う事に驚きを感じる。下巻では上巻に比べると政治家への個人風刺が減っているが、それがアテナイで自由にものを言いにくくなった風潮のためとすれば、なにやら寂しい気がする。2012/12/25

ma_non_troppo

0
ジョークとは、それが放たれる背景をある程度押さえていてこそ効き目のあるものだと思う。その瞬間的な作用を心ゆくまで味わうためには、いささかの知識の習熟が必要不可欠だと上巻を読んでいるときに深く感じた。上巻に収められた作品は、ペロポネソス戦争に対する反戦をテーマにした諷刺ものばかりだからだ。でも下巻の作品は、当時のギリシアについて詳しくなくてもそこそこ楽しめると思う。とくに「女」のついた三作品。その女性に対する諷刺ぶりから、当時の女性像の一部だけでなく、アリストパネスという人の女性観もよく伝わってきて面白い。2012/11/17

ホームズ

0
有名な『女の平和』『女の議会』が良かったかな(笑)面白い発想だな(笑)しかしやはり裏にある歴史とかも勉強しないと理解はしにくいよな(--;)『戦史』でも再読しようかな(笑)2009/01/20

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