出版社内容情報
日蓮の講義を弟子が筆記した『御義口伝』にみえる日蓮の法華経解釈、さらにその底流にある人間主義的な思想について、講義をテーマ別に再構成しつつ解説する。
内容説明
『御義口伝』は、日蓮が身延山で口述した法華経についての講義を、弟子の日興が筆録したものとされるが、その難解さ故に解説書は少ない。そこに展開されている日蓮の法華経解釈、ひいてはその底流にある仏教思想を、NHK「100分de名著」の名講義でも知られる著者が懇切丁寧に解説する。南無妙法蓮華経と唱えるのは、失われた自己を回復し、真の自己に目覚め、人格を完成させるためだと日蓮は説く。そうした日蓮の人間主義の思想を、『御義口伝』をテーマ別に再編成しつつ読み解く。
目次
総論 南無妙法蓮華経とは
第1章 自己の探求
第2章 汝自身を知れ
第3章 日蓮の時間論
第4章 普遍思想としての人間尊重
第5章 日蓮の男性観・女生観
第6章 人間離れした諸仏・菩薩への批判
第7章 神通力の意味の塗り替え
第8章 仏教における信
第9章 日蓮の仏国土観
第10章 日蓮の死生観
著者等紹介
植木雅俊[ウエキマサトシ]
仏教思想研究家・作家。1951年、長崎県島原市生まれ。九州大学理学部物理学科卒。理学修士(九州大学)、文学修士(東洋大学)、人文科学博士(お茶の水女子大学)。東方学院で中村元氏からインド思想・仏教思想論、水野善文氏からサンスクリット語を学ぶ。訳書に『梵漢和対照・現代語訳 法華経』上・下巻(岩波書店、毎日出版文化賞受賞)、『梵漢和対照・現代語訳 維摩経』(岩波書店、パピルス賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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