出版社内容情報
『解体新書』の生殖器版とも言い得る『造化機論』四部作。明治期の一大ベストセラーとなったこの訳書を手掛けた謎の医学者・千葉繁の生涯とその時代を描く。
内容説明
『解体新書』の性器版にして、明治期の一大ベストセラー『造化機論』。それはどんな書物で、翻訳者・千葉繁とは何者だったのか?謎に満ちた一人の男の生涯とその時代を描いた野心作!
目次
第1章 明治の性典『造化機論』の誕生
第2章 『造化機論』には何が書いてあるのか―オナニー有害論と三種の電気説
第3章 千葉繁というミステリー
第4章 ここにいたのか、千葉繁
第5章 浜松藩の千葉繁
第6章 鶴舞藩の千葉繁
第7章 横浜の千葉繁
第8章 『造化機論』のあと
第9章 誰か千葉繁を知らないか―「セクシュアリティの近代」のゆくえ
著者等紹介
赤川学[アカガワマナブ]
1967年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科社会学専攻博士課程修了。博士(社会学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は歴史社会学、社会問題の社会学、セクシュアリティ研究、人口減少社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春風
5
ほとんど史料のない謎の性科学者千葉繁の生涯を再現するミステリータッチのノンフィクション。声優みたいな名前だなと思ったらちゃんと言及があるし、ガンダムやボトムズの引用まである。2015/01/17
Hiroki Nishizumi
4
千葉繁をストーカーのように追いかけた軌跡。むしろ造化機論についていろいろ論評して欲しかった。2019/08/19
takao
1
「造化機論」の訳者・千葉繁が忘れ去れるまで。2017/12/17
あろはま子
1
明治期に変ったであろうと思われる日本人の性における感覚の変化がどんなものだったかわかるかな?と思い読んだけれども、メインはその人物を追うという題そのままの本です。浜松藩が千葉に移動したとか知らなかったな~。2014/12/18
釈聴音
1
ほとんど情報のない人物の正体に迫る過程を描いたドキュメント。ちなみに「性典」の中身については夏目房之介氏による解説が過去に出版されている(『男女のしかた』)。2014/11/28