出版社内容情報
山川隆一、早川智津子、山脇康嗣、冨田さとこ 著。外国人労働者が関わる労働紛争において、リーディングケースとなる判例、今後検討していくべき重要論点を含む判例を整理し、判例法理に加え、外国人労働者を巡る現在の動向や今後の展望も解説。
・この1冊で、外国人労働者に関係する重要な労働判例を把握できる。
・リーディングケースとなる判例、今後検討していくべき重要論点を含む判例を整理。そこから導かれる判例法理に加え、現在の動向や今後の展望を解説することにより、スムーズな相談対応や訴訟進行に繋げられる。
・各項目において、関連判例の事案概要、判例のポイント、解説、類似判決や現在の動向・今後の展望を解説。
【目次】
総論 外国人労働者受入れ制度の動向と労働判例(山川隆一)
1 これまでの外国人労働者受入れ政策
2 新たな法制度
3 外国人労働政策と労働判例
【1】 適用法規の決定及び管轄裁判所(山川隆一)
1 ◆ 適用法規の決定
判例1
絶対的強行法規の適用(インターナショナル・エア・サービス事件・東京地決昭和40・4・26労民集16巻2号308頁〔27621775〕)
判例2
準拠法の決定(国立研究開発法人理化学研究所事件・東京高判平成30・10・24労判1221号89頁〔28264952〕)
解説
1 外国人労働者に対する労働法の適用
2 管轄裁判所(国際裁判管轄)
●COLUMN● 賃金債務の性質と外国人労働者(冨田さとこ)
【2】 外国人労働者の人権(早川智津子)
1 ◆ 国籍差別の禁止(労基法3条)等
判例1
国籍による雇用期間の差異と労基法3条(東京国際学園事件・東京地判平成13・3・15労判818号55頁〔28070464〕)
判例2
日本語教育機会の有無と労基法3条(三菱電機事件・東京地判平成8・3・25労経速報1592号25頁〔28010346〕)
解説
1 国籍差別禁止-労基法3条
2 均衡・均等待遇-パート有期法
2 ◆ その他の人権保障
判例3
強制帰国(フルタフーズ・食品循環協同組合事件・富山地判平成25・7・17労旬1806号62頁〔28223586〕)
解説
1 技能実習生の人権保障
2 労基法等による人権保障
3 ◆ ヘイトスピーチ
判例4
ヘイトスピーチ、差別的言動と職場環境配慮義務(フジ住宅ほか事件・大阪高判令和3・11・18労判1281号58頁〔28293675〕(上告棄却・不受理(最決令和4・9・8)))
解説
1 差別的言動と職場環境配慮義務
2 差別的言動解消法(ヘイトスピーチ解消法)
4 ◆ 人格的利益の尊重等
解説
1 職場での日本語のみ使用ルール・日本語ハラスメント
2 プライバシーと人格的利益の尊重:職場での本名使用の強要問題
3 宗教差別・宗教への配慮(食習慣含む)
【3】 労働契約の意義と内容(早川智津子)
1 ◆ 入管法の規制と労働(雇用)契約
判例1
入管法の規制と私法上の権利(山口製糖事件・東京地決平成4・7・7判タ804号137頁〔27814290〕)
判例2
在留手続上の書類と雇用契約の内容(マハラジャ事件・東京地判平成12・12・22平成11年(ワ)8997号公刊物未登載〔28321847〕)
解説
1 入管法上の外国人就労の特徴
2 入管法上の規制と私法上の権利
2 ◆ 外国人労働者の労働契約
判例3
在留期間を雇用期間と認めるか―否