出版社内容情報
明治の終わり頃、瀬戸内海の島で生まれた宮本常一は苦労を重ねながら学問を志し、やがて民俗学の道へ進みます。日本中をくまなく歩きまわり、各地の古老から話を聞き、民衆の生活の実態を知る、という宮本式の民俗学の手法をあみだしました。自ら人生を切り開き、民俗学の第一人者となった生涯を宮本常一が自分の言葉で語ります。
内容説明
宮本常一は、人生の約6分の1を旅に費やしました。日本中をベタベタと歩きまわり、人びとから話を聞き、膨大な民俗資料を発掘したのです。本書では、瀬戸内の島の百姓からはじまり、民俗学のパイオニアとなった生涯を、常一自らが語ります。
目次
1 家族のぬくもり―0歳~6歳ごろ
2 小学校で―6歳~15歳
3 逓信講習所と郵便局時代―16歳~18歳
4 師範学校と教員時代―18歳~23歳
5 柳田先生と渋沢先生―24歳~28歳
6 アチックミューゼアムのころ―32歳~36歳
7 戦後の日本を歩く―38歳~56歳
8 若き仲間たちと―57歳~73歳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
58
『日本の伝記 知のパイオニア』シリーズの一冊。その足跡を辿れば日本地図が描けるとまで言われた偉大な民俗学者、宮本常一の一生を、宮本の弟子に当たる著者が、「一人称の伝記」としてまとめたもの。宮本の誕生から死まで、柳田國男や渋沢敬三との出会いを挟んで、学びの機会となった出来事や仕事の変遷、民俗学への傾斜、離島についての事業など、編年体の体裁で丁寧に記述している。写真やイラストも豊富で読みやすい。ただ、記述は坦々としていて宮本の肉声があまり聞こえてこない印象を受ける。それと170頁定価2500円はやや高いかも。2024/02/04
K
1
(2021,289)宮本氏を敬愛してきたが、どういう生業だか初めて知る。「パトロン」の渋沢氏の存在は慧眼だった。とにかく驚いたのは、昭和18年の時点で、敗戦後に衝撃を受けないように教え子に「日本は負ける」と伝えていたこと、20年春には大阪府の池田知事が「遅かれ早かれ日本は連合国に降伏する」と宮本氏に伝え、終戦後の野菜の供給体制の確立を頼んだ2点。いやもちろん氏の足跡、在野で調べる尊さ、周囲の人々との深い絆等、とても感動的なのだが。あとは、母の臨終を活写した「母の記」に触れてほしかったー、残念!2024/05/24
かん
0
👍2021/10/15
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