内容説明
昭和最後の十年、現代の病根を衝く。
目次
昭和五十一年‐昭和六十二年(日本・その文化と人(ドナルド・キーン)
“ホンネ時代”を切り拓こう(鹿内信隆;辻村明)
戦後民主主義の“本質”(会田雄次)
世相を斬る
日本の教育・七不思議(鈴木重信;グスタフ・フォス)
宗教と生活感覚(井上洋治)
日韓両国民への直言(申相楚)
ギリシア古典悲劇と現代(小島信夫)
腑抜けにされた日本の文化(佐伯彰))
著者等紹介
福田恆存[フクダツネアリ]
大正元(1912)年、東京生れ。東京帝国大学英文科卒。評論・劇作・翻訳など多岐に亙る仕事の他、現代演劇協會を設立し劇団「雲」を主宰、演出家としても活躍した。国語問題や進歩的文化人批判においては保守派の中核として活動。昭和31(1956)年、「ハムレット」の翻訳・演出で芸術選奨文部大臣賞、昭和28年、戯曲「龍を撫でた男」で第4回、昭和36年「私の国語教室」等の評論で第12回、昭和43年にはシェイクスピア全集の翻訳で第19回と、三度読売文学賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんぞ
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ドナルド・キーンと日本文学は西欧人にも理解される世界文学であるといった話をしたり、ハワード・サイモンズ(ワシントンポスト編集局長)とマスコミの正義の商業主義としての限界についてのやりとりなどは面白いが、フジテレビで『世相を斬る』の対談で出演したのは保守主義とされた恒存に意見の合致する人たちだからあまり意見の深まりが見られないようだ。'72日中友好条約直後に「尖閣諸島領有を外相(姫鵬飛外交部長?)の“二度としない” という言明だけで条約に明記しなかったのは禍根を残した」という指摘は残念ながら正鵠を射ていた。2012/09/29
金北山の麓に生まれ育って
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【世相斬らんでも良かった】キーンとの日本文学論や井上との宗教日本文化論の深さに感銘、これをもっと読みたい。江藤淳が進駐軍検閲調査を漱石論の方が良い仕事、時代が変っても残る仕事だろと吉本に言われムキに言い返してたように福田的には不可避だったのかもしれんが、人生観が井戸端会議に散りばめられてない事もないがもったいない。今なら福田の言う通りだが、この頃20歳過ぎだった私も西部邁に揺り起こされつつ最終的にはバカ進歩主義者で思考停止護憲派だった、読んでて恥ずかしい30年以上前で今さらだが。老けた印象が有る4巻目です2022/04/12