感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チネモリ
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『人間学』読了。『基礎づけ』、『実践理性批判』そして『人倫の形而上学』などでの道徳哲学全般、『判断力批判』での「複数主義」及び「共通感官」そして『啓蒙とは何か』での「世界市民思想」などカントの鍵概念をより深く理解する上で本書は役に立った。経験に依存しないレベルでカントは大体議論を進めていくが、本書は彼なりの経験的レベルで議論が展開される。カントを学習をする上で最初の一冊に本書を挙げる人もいる。それと同時にある程度学習が進んでいる中級者以上でもカントの思想がより深く理解できる一冊だろう。2020/07/24
チネモリ
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『教育学』読了。本書は大学で行われたカントの講義録である。この中で教育を①養護(保育・扶養)②訓練(訓育)③教授④陶冶と定義する。冒頭で「人間は教育されなければならない唯一の被造物である」とカントは述べている。今日の教育は「生涯教育」という視点が必要だと思うが本書は主に幼児児童教育論であるという印象だった。保育士、幼稚園教諭そして小学校教諭が本書を読むとどう感じるかが気になった。また『基礎づけ』や『実践理性批判』を読んだ者にとって「義務」や「道徳法則」がどのように教育で伝達されるかが理解できた。2018/02/28
ヒルデ
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両方とも理想乙だけど、200年前のこのような理想があったこと自体はすごい。理想と現実を混同するのが間違いで、理想を抱くことは悪くもなんともなく、むしろいいことだし。2012/10/28