出版社内容情報
中国文明の中で大きな役割を果たした虫6種を取り上げ、歴史はもちろん、観察記録や昆虫食も逸話を交えて語る中国文化論。
瀬川千秋[セガワチアキ]
内容説明
セミを愛した権力者、アリを調教する芸人、史上最大のホタル狩りを楽しんだ皇帝、バッタを呑み込んだ名君…。虫の文化誌が映し出す、もう一つの中国史。
目次
蝉(セミ)
蝶(チョウ)
蟻(アリ)
蛍(ホタル)
蜂(ハチ)
飛蝗(トノサマバッタ)
著者等紹介
瀬川千秋[セガワチアキ]
フリーランス・ライター。翻訳家。著書に『“あじあブックス”闘蟋―中国のコオロギ文化』(大修館書店:サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
23
虫愛ずるおばちゃんなので、こういう本だ~いすき。しかも、中国の様々な文献が登場してわくわくしました。ミツバチの部分は特に勉強になりましたが、セイヨウミツバチなのかトウヨウミツバチなのか、知りたいなあ。2020/06/25
クサバナリスト
10
蟻使いが気になる。そんなに立派にできたのかな?2016/08/23
inarix
8
万物流転という生命観。佳人はセミに生まれかわり、畑の野菜やスカートの裾がチョウに変化し、ホタルは朽ちた草より生まれ、旱魃がサカナやエビをバッタに変える。小宇宙という世界観。王を頂点としたハチが形成する社会、地中に広がるアリの巣に、日常の傍らにある別世界の夢を見る。中国式の時代区分によれば、かの国はじつにアヘン戦争(1840年)までは古代であったという。3000年も続いた古代。その時代のなかで、虫と人とが織りなすめくるめく奇譚を集めてゆけば、中国の歴史の一面が見事に浮かびあがる。好奇心が刺激されまくる一冊。2019/10/14
へんかんへん
5
秋 ばった 火と禾(作物) 森、蟲 詩経 大戴礼記 虫 き 蝉というのは清らかな虫だ 淡白にして寡黙なものだ ばったを鳥が時々撃退 鷹 鴉 鶖 ムクドリ 2017/12/02
たけはる
4
小説の資料用に。 中国におけるセミ・蝶・アリ・蛍・蜂・イナゴのイメージや逸話、昆虫食の歴史などをまとめた1冊。 個人的に、イナゴの話がとくに印象深く読みました。蝗害ってこんなに酷いんだなあ……。2020/05/24