内容説明
「四字熟語」は時代を映す!?別役実が世にある「四字熟語」の数々をためつすがめつし、斬新で大胆な当世風解釈を与える。「痛快無比」のエッセイ集。
目次
焼肉定食
謹厳実直
豊年満作
八方美人
白河夜船
七転八起
天変地異
一病息災
巧言令色
温故知新〔ほか〕
著者等紹介
別役実[ベツヤクミノル]
劇作家。1937年旧満州生まれ。早稲田大学政経学部中退。「マッチ売りの少女」「赤い鳥の居る風景」で岸田國士戯曲賞受賞、「街と飛行船」「不思議の国のアリス」で紀伊國屋演劇賞受賞、「ジョバンニの父への旅」「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」で芸術選奨文部大臣賞受賞。戯曲のほか、エッセイ、評論、童話なども数多く執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
30
別役実のエッセイは面白い。トーシロがありきたりなイメージだけで語ってしまうのだけれど、柔らかい構えの中にすでにできあがった達意の文章の技芸と思考の剛直さを感じてしまうのだ。このエッセイ集も四字熟語を取り上げながらぼくたちの生活の変化について鋭敏な感受性で観察した様子を描写し、そこから著者特有のひねりの効いた「スパイシー」な思考能力でエッセイを編み出す。それは悪く言えば屁理屈ではあるのだけれど、その屁理屈は同時に事態を的確に射抜いていて、それゆえに役に立たないようでアクチュアルであるから不思議だとも思われる2023/06/08
猪子
5
四字熟語をテーマにした硬派な(ユーモアでもあるのかな…)エッセイ。どちらかと言えば日常をゆる〜くつづったエッセイを読む方なので頭にガツンとくる。右往左往の項で『経済の活性化は、人と物の移動の、如何に大きく頻繁に行われるかによって促されると言われている。』とあり、これじゃあ今日の経済を活性化させるのは難しいなぁ…と思った次第です。(ちょっと難しい本読んだからって社会派的な感想かかないで)2021/01/10
kishikan
1
本のタイトル「左見右見」の意味さえ知らぬ私。四字熟語というのは本当に奥が深い。井上ひさしさんだったか、四字熟語だけで作った文章(漢詩じゃありませんよ)があった気がするんですが、これを読むと四字熟語の意義というものが分かります。是非手に取っていただきたいもの。
なめこ
0
四字熟語をベースにあれやこれやを語るエッセイ。これって語源はこうですけど昨今ちょっとちがう使われ方してるよね、あるいは昨今なかなか聞かないよね、という切り口から、あーでもないこーでもないと論が広がってゆく。夜郎自大、なんていま変換予測に一発で出てこないもんね。鶏口牛後あたりはうっかり語源とかけ離れた使い方をしそうで気をつけたいです。ベースは劇作家。どこまで信じるに値するかは一歩引きつつ、読んでて引き込まれる筆力が楽しい。2024/01/28
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- 和書
- オレは「最強」だったから