出版社内容情報
第二次世界大戦の開戦に至る経緯と終戦後の占領政策については盛んに研究され多くの成果があげられている。しかしそのあいだの戦争そのものについては、「純粋歴史家」による研究はほとんどなされていない。その部分の研究はいわゆる「軍人歴史家」、つまり旧陸海軍や自衛隊出身の研究者による戦史編纂事業が担ってきた。戦史編纂はどのような目的で計画され、どのような人物たちによってどんな条件の下で実行されていったのか。終戦後すぐの復員省による戦史編纂から、防衛研修所戦史室による『戦史叢書』刊行完結(1980年)までの道のりを詳しく分析する。
【目次】
序章 軍事史研究への視座
第一章 復員省戦史――失われた記録の復元
第二章 未完の戦史――戦史研究のニーズと担い手
第三章 戦史を編んだ人々
第四章 旧陸海軍対立の残滓――「戦争指導史編纂をめぐる認識の相違
第五章 『戦史叢書』ができるまで――編纂現場からみた課題
第六章 軍事史研究論争
補論 旧陸軍の秘密書類管理制度と終戦前後の文書焼却



